大人になると、あれこれ悩むことが多くて、とってもしんどい。たまに、「何も悩みのなかった子供の頃に戻りたいな…」なんて思ってしまうことがあります。しかし、子供たちは子供たちで、色々な悩みをかかえているのです。
今回は、幼稚園から小学校低学年の子供たちに、「今、悩んでいること」について聞いてみました。

■教えて。今、悩んでいることってなあに?

「給食がぜんぶ食べられないこと。クラス全員が時間内に食べられたら花マルなのに、いつも私のせいで花マルじゃないから、ごめんなさいって思う」(小学2年生女子)

「もうすぐプールがはじまること。今年はプールにもぐれって言われそうな気がする」(小学2年生男子)

「お友だちとケンカして、『もう一緒に遊ばない』って言ったけど、やっぱり遊びたいなって思うこと」(6歳男子)

「お友だちはうんていが上手なのに、私はすぐに落ちちゃうの」(5歳女子)

「宿題の計算カードが面倒くさいこと」(小学1年生男子)

思わずニッコリほほ笑んでしまいそうな悩みごとばかりですが、本人たちは至って真剣。このハードルを乗り越えることができれば、またひとつ成長することができるでしょう。

しかし、中にはひとりで抱え込むにはあまりにも大きすぎる問題で悩んでいる子供もいます。
「毎日、私にだけ嫌なことを言ってくる子がいる。頑張って『やめて』って言いたいけれど、言ったらもっと嫌なことを言われそうな気がして勇気が出ない」(小学2年生女子)

「クラスに、授業中騒ぐ子がいる。先生が注意しても聞かないから、授業ができない。それがすごく嫌」(小学1年生男子)

「学校へ行くとき、お友だちふたりが私のわからない話をする。私が『何の話?』って聞いても、教えてくれない。もう一緒に学校に行きたくないけれど、行かなかったら『なんで先に行ったの?』って怒っちゃうから、一緒に行かなきゃいけないの。学校は楽しいけれど、行くときが嫌だな、って思っちゃう…」(小学2年生女子)

■世界が広がると悩みも増える

子供が小さいときは、親の心配はただひとつ、子供に関することだけでした。体調を崩してないかな、この子はすくすくと成長してくれているかな…。ただ、子供のことだけを見つめ、子供のことに一喜一憂し、心配する…。それだけでよかったのです。

しかし、子供が成長して入園・入学することにより、子供の世界が広がると、子供がどうにかすれば解決する…という問題ばかりではなくなってしまいます。友だちやクラスメイト、担任の先生との付き合い…。ときには、親が経験したことのないような悩みを子供が抱える場合もあるので、どのような解決策を示してあげればよいのか、わからなくなってしまうこともあるでしょう。

そんなとき、親がしてあげられること。それは「しっかり聴くこと」ではないでしょうか。まずは、子供の訴えにしっかりと耳を傾けてあげること。しかし、これってなかなか難しいんですよね…。忙しいときに、「ねぇねえ聞いて聞いて」なんて言われて、聞いてあげると、こちらにしてみたら「え、そんなこと…」と思ってしまい、イラッとする。こちらが「こうしたら」と解決策を提示しているのに、「でも…」「だって…」といつまでもグズグズ言っている。こちらに精神的、時間的余裕がじゅうぶんにあるときならまだしも、「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」って気が急いているときに、「ねぇ、お母さん…」なんて呼びとめられたら、「自分で何とかしなさい!」と思わず言ってしまいたくなります。

子供の心に寄りそい、共感してあげること。口で言うのは簡単ですが、そうとうな忍耐力を必要とする場合もあります。
しかし、子供にとっては切実な悩みで、「自分は絶対大丈夫」という確信が欲しいからこそ親に相談している、ということを忘れないようにしたいものです。

■自分でしっかりと解決して欲しい