定年を迎えたあとは、夫婦でのんびり過ごしたい…。そう思っている夫婦がいる一方で、「定年したら離婚しよう」と密かに考えている夫婦も存在するようです。
これまでの生活とは異なり、夫婦で過ごす時間が一気に増える定年後の毎日。これまで長年連れ添ったパートナーとの別れを考える理由は、一体どこにあるのでしょうか。
定年離婚願望のある人は何割?
定年離婚をしたいと考えている人は、どのくらい存在しているのでしょうか。明治安田生活福祉研究所が1万2,000人の男女を対象に行なった「人生100年時代の結婚に関する意識と実態」(2018年)によると、「定年を機に離婚しようと考えたことがある」と回答した40~64歳の男女の割合は以下の通りでした。続きを読む
【定年を機に離婚しようと考えたことがある割合】
子どもがいる既婚男性・・・・19.6%
子どもがいない既婚男性・・・11.1%
子どもがいる既婚女性・・・・28.1%
子どもがいない既婚女性・・・13.3%
ご覧のように、子どもがいる夫婦のほうが定年離婚を考えやすい傾向にあるようです。経済的な事情や子どもへの影響を考え、「子どもが大きくなるまでは離婚を我慢しよう」と耐えていたケースもあるのでしょう。
また、「定年を機に離婚しようと考えた理由」は以下のようになりました。
「定年を機に離婚しようと考えた理由」
【男性】
1位…「配偶者からの愛情、配偶者への愛情を感じないから」(37.6%)
2位…「退職後に毎日配偶者と家で一緒に生活するのは耐えられない」(27.8%)
3位…「性格・価値観の不一致に耐えられなくなった」(27.4%)
【女性】
1位…「退職後に毎日配偶者と家で一緒に生活するのは耐えられない」(45.1%)
2位…「性格・価値観の不一致に耐えられなくなった」(33.2%)
3位…「配偶者からの愛情、配偶者への愛情を感じないから」(30.2%)
最も目立ったのは、女性の「退職後に毎日配偶者と家で一緒に生活するのは耐えられない」という理由でした。これまで仕事で外に出ていた夫と毎日一緒に過ごすことを、マイナスに捉えている人はある程度存在するようです。
今まで1日の大半を仕事に費やしてきた夫は、ぽっかりと空いた時間の過ごし方が分からないといった状態に陥りやすいようです。そのため、妻のちょっとした買い物などの外出についてくるようになり、これを靴底にまとわりつく濡れた落ち葉に例えて「濡れ落ち葉症候群」といいます。
今までの結婚生活でパートナーに我慢し続けていた方は、これが大きなストレスになってしまうようです。