車の免許を持っていない人にとっては、特に欠かせない移動手段である“自転車”。子ども乗せが進化していることもあり、ママたちの中にも自転車移動が基本となっている人も多くいます。

しかし一方で、危険な乗り方をしたことによって悲しい事故が起きている現実も。今回は、子どもを乗せながらでも暴走してしまう自転車のリアルについてご紹介します。

■危険な運転をしている子乗せ自転車の目撃が多発

電動自転車が普及したことにより、子どもを乗せながらでもかなり早いスピードで駆け抜けていく自転車とすれ違ったという経験のある人は多いもの。法律を守りきちんと安全な運転をしているママたちがいる一方で、信じられないような危険行為をしている子乗せ自転車があるのも事実です。

実際に起きている子乗せ自転車の暴走とは、どのようなものなのでしょうか。

【ケース1】前後に子どもを乗せて平気で横断歩道の信号を無視

自転車の前後に子どもを乗せているにも関わらず、交通量の多い横断歩道で信号無視をするという非常に危険なケース。子どもを乗せて自転車に乗るときは、大人1人で自転車に乗るときよりも安全運転を意識しなければいけません。

しかし、子どもを乗せて自転車を運転している人の中には、基本的な交通ルールを守れない人も存在しています。自動車の運転手がいくら気をつけていても、子乗せ自転車が信号無視をして道路上に出てきてしまうと、正面衝突につながる可能性も。自転車を運転している大人はとっさに受け身を取ることができても、子乗せ部分に乗せられている子どもたちは、なすすべがありません。

“子どもを乗せているんだ”という意識をしっかりと持ち、より慎重に自転車を運転してもらいたいものです。

【ケース2】抱っこ紐で前抱っこをしたまま自転車を運転

子乗せ部分がついている自転車にも関わらず、抱っこ紐で前抱っこをしたまま自転車に乗っているケース。過去には、抱っこ紐で抱っこされている赤ちゃんだけが強く頭を打って亡くなってしまうという悲しい事故も発生しており、ママたちにも注意の意識が広がっています。

小さい子どもがいるママにとっては、前抱っこのほうが手軽にできるので、ついついそのまま自転車に乗ろうとしてしまう人も少なくありません。しかし、道路交通法でも「16歳以上の人間が自転車に乗るとき、幼児1人までならおんぶ可能」という趣旨のルールが定められているように、前抱っこはNG。自転車に乗る人の割合が多い地域などでよく見かける“前抱っこ運転”ですが、赤ちゃんの命を守るためには絶対にやってはいけない運転なのです。

【ケース3】そもそも子乗せ用の椅子を装着していない自転車

子どもを同乗させている自転車の中でもっともありえないのが、子乗せ用の椅子を取りつけずに同じ自転車に子どもを乗せて走っているケース。実際に、とても危険な乗り方をしている親も存在しています。

筆者が実際に見かけたのは、大人が乗るべき場所であるサドル部分に子どもを乗せて、運転手である大人は立ちこぎをしているというケース。サドルに座っている子どもは前で立ちこぎをしている大人の体をつかみ、一生懸命振り落とされないようにしがみついているのです。このような乗り方の自転車を見かけたのは、一度きりではありません。違う場所で違う親子がこのような乗り方をしていたので、おそらく日本各地でも意外と多い危険な乗り方なのではないでしょうか。

他には、ロードバイクタイプの自転車に乗り、抱っこ紐などを使用せず抱っこしながら片手運転で自転車に乗っているケースも。幼児を片手で抱っこし、反対の手で自転車を運転。ロードバイクタイプの自転車なので、ママは常に前景姿勢の状態で運転をしていました。私はその自転車とすれ違っただけなのですが、もしタイヤが段差につまずいて転倒してしまったら?と考えただけで、すごく怖い思いをしたのを覚えています。

■危険な乗り方で子乗せ自転車に乗らなければいけない現実もある