【男性/参加したい地域活動(複数回答可)】
1位・・・子どもと大人が一緒に参加できる地域の行事やお祭りなどを行う活動(38.3%)
2位・・・子どもの防犯のための声かけや登下校の見守りをする活動(37.5%)
3位・・・子どもと一緒に遊ぶ活動(35.4%)
4位・・・子どもにスポーツや勉強を教える活動(35.1%)
5位・・・地域の伝統文化を子どもに伝える活動(20.6%)
【女性/参加したい地域活動(複数回答可)】
1位・・・子どもの防犯のための声かけや登下校の見守りをする活動(44.4%)
2位・・・子どもと大人が一緒に参加できる地域の行事やお祭りなどを行う活動(34.7%)
3位・・・子どもと一緒に遊ぶ活動(29.5%)
同3位・・・子育てをする親同士で話しができる仲間づくりの活動(29.5%)
5位・・・不意の外出や親の帰りが遅くなった時などに子どもを預かる活動(25.2%)
このように、実行にうつしていなくても「誰かの役に立ちたい」と考えている人がこれだけの割合いることは、子育て家庭にとってとても救いになることです。
実際、筆者の家庭の場合は地域のボランティアサッカーコーチや、放課後や登下校の活動を見守るシニアボランティアの皆さんに支えてもらった経験があり、皆さんには感謝の言葉を一言で表せないほどです。
とはいえ、厳しい現実もあります。
子育てに欠かせない要素を、人手・お金・愛と、ものすごく乱暴に分けるとします。もし、不運にもある家庭でそのうちの何かが欠けてしまった場合、当事者が助けてくれるつてを自ら見つけ、自分からしかるべき場所に飛び込んでいかない限り、地域の誰かが助けにくい構図ができあがっているように思います。
優しい人はたくさんいるのに「不寛容」の空気が広がるのはなぜ?
話変わって、3月に発表された『世界幸福度ランキング』では、日本は156の国と地域中58位と、前年より順位を下げましたが、その原因となっていたのが92位の「寛容性」。
寛容性が失われると、大きな影響を受ける存在はたくさんあるのでしょうが、そのひとつが子どもです。仮に他者に寛容になるための成長のプロセスが、周囲の大人の手本や子ども自身の失敗の積み重ねによって培われるのだとしたら、今は大変に厳しい状況です。
いくら道徳の授業で正論を伝えても、家庭外の多様な考え方や優しさに触れることなく寛容性を培うことは難しく、不寛容が連鎖していくのではないかと筆者は危機感を感じています。
冒頭のような状況が訪れぬよう、孤立した家族が門戸を少し開きたくなるような地域づくりは、どうしたら実現するのか。優しい人はたくさんいるのに、子育て家庭が「社会の寛容性が低い」と感じる原因はどこからきているのか。
その問題を真剣に考えることは、根っこでつながった数々の社会問題を根本から解決することはないにせよ、小さな波紋を起こすことにつながるのではないでしょうか。
【参考】
平成25年度「家族と地域における子育てに関する意識調査」報告書 全体版(内閣府)
World Happiness Report 2019(SDSN:持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)
北川 和子