金融庁によると、2025年6月末時点のNISA口座数は2696万件を超えています。
30〜50歳代の利用が特に多いですが、10歳代の利用者も増加しており、2024年12月からみると28.5%もの増加率となっています。
若い世代でも取り入れる方が多くなっていることがうかがえます。
そこで本記事では、新NISAで毎月5万円ずつ積立投資をした場合、10年後・20年後・30年後には資産はどのくらい増えているのか、利回りごとにシミュレーションしていきます。
1. 新NISAの3つのメリット
まずは、新NISAの3つのメリットについて確認していきましょう。
1.1 NISA口座内で得られた運用益が非課税
通常、金融商品から得られた運用益(売却益・譲渡益)には、原則として20.315%の税金がかかります。
しかし、NISA口座内で投資をして得られた利益には税金がかからないというメリットがあります。
例えば、投資していた金融商品から20万円の利益が得られたとします。
通常であれば約4万円の税金が差し引かれ、手元に残るのは約16万円です。
しかし、NISA口座内の取引から得られた運用益であれば非課税なので、20万円そのままが手元に残ります。
1.2 少額からの投資が可能
新NISAは毎月1000円といった少額から始めることが可能で、ネット証券では100円から始められるところもあります。
まとまった資金がなくても始められ、家計の負担にならない範囲で取り組みやすいです。
例えば、これまで毎月5万円を貯金に回していた場合、そのうちの1〜2万円を積立投資に充てるという方法もあります。
1.3 複利効果により資産を効率よく増やせる可能性がある
新NISAは、複利効果により資産を雪だるま式に増やせる仕組みとなっています。
複利効果とは、「利息が利息を生む」といわれているように、得られた運用益をそのまま再投資することでさらに利益を生み出すことをいいます。
複利効果は長期間取り組むほど効果的とされるため、できるだけ若いうちから始めるのが理想です。
では、毎月5万円ずつを新NISAで積立投資した場合、10年後・20年後・30年後にはそれぞれいくらになっているのか、次章で利回りごとにシミュレーションしていきましょう。
※シミュレーションの利回りは、あくまでも過程の数値となっています。実際の運用では試算結果よりも大きな資産となることもあれば、逆に試算結果のように増えない可能性がある点は注意が必要です。
※新NISAの非課税保有限度額(総枠)は、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて1800万円、成長投資枠のみだと1200万円となっています。
2. 投資期間10年間:毎月5万円を年3%・5%・7%で運用したときの資産額
毎年5万円ずつを10年間、年3%・5%・7%で運用した場合の、それぞれの利回りごとの資産額は以下の通りです。
【利回り:運用益/資産額】
- 3%:97万円/697万円
- 5%:172万円/772万円
- 7%:255万円/855万円
利回り3%で運用した場合、元本600万円に運用益が97万円つき、資産額は697万円になる計算です。
あくまでもシミュレーション結果ではありますが、最も利回りが低い3%でも、資産を1.15倍程にすることが可能です。
ただし、複利効果は長期間運用するほどその効果が高いとされ、投資期間10年間の場合、十分な複利効果を得ることが難しいと考えられます。
次から確認する投資期間20年や30年と比較して、運用益・資産額ともに控えめとなっています。
3. 投資期間20年間:毎月5万円を年3%・5%・7%で運用したときの資産額
【利回り:運用益/資産額】
- 3%:434万円/1634万円
- 5%:829万円/2029万円
- 7%:1338万円/2538万円
投資期間が20年になると、元本は1200万円になります。
利回り3%の場合でも運用益が434万円付き、資産額は1634万円まで増えます。
仮に7%の運用が可能であれば、運用益は元本以上の1338万円も付き、資産額は元本の2倍以上の2538万円が実現します。
4. 投資期間30年間:毎月5万円を年3%・5%・7%で運用したときの資産額
【利回り:運用益/資産額】
- 3%:1094万円/2894万円
- 5%:2277万円/4077万円
- 7%:4047万円/5847万円
投資期間が30年の場合の元本は1800万円です。
30年間の運用ができれば複利効果の恩恵を十分に受けられ、資産を効率よく増やすことが可能です。
利回りが3%でも運用益が1094万円付き、資産は2894万円になる計算です。5%の場合の運用益は2277万円と、元本以上の金額となります。
さらに7%の運用ができれば、資産はおよそ3.2倍に膨れ上がります。
このように、長期間取り組むことで資産を効率よく増やせる可能性があるのです。
なお、ここまでの運用益や資産額は、あくまでも利回りが3%・5%・7%を維持できた場合の金額です。
実際には金利は常に変動しており、上昇するときもあれば下降するときもあります。
その結果、積み立てた金額より受取額の方が少なくなる元本割れを起こす可能性もあることに注意が必要です。
今回のシミュレーション結果は参考程度に捉えるようにしましょう。
5. まとめ
毎月5万円ずつを積立投資した場合、利回りが大きいほど運用益が大きくなるのはもちろんですが、複利効果により運用期間が長いほどより大きな運用益が得られることがわかりました。
しかし、利回りは一定ではなく絶えず変動しています。
大きな利益が形成できることもあれば、元本割れを起こす可能性もあることを十分に理解したうえで取り組むことが大切です。
参考資料
木内 菜穂子