2016年は大幅下落でのスタートに

2016年の取引初日である1月4日の日経平均は、前年末終値比583円安(▲3%)の大幅な下落で引けました。

30日の日本の大納会(年末最後の営業日)以降の米国株式市場が軟調であったこと、不透明な中東情勢、為替が円高傾向で推移していたことなどから、今年の大発会(年始の営業日)では、ご祝儀相場は期待薄と考える向きが多かったと推察されますが、想定以上の大幅な下落となりました。

大発会と年間の騰落率をチェックしてみた

「大発会は上がりやすい」という期待が大きく裏切られたことに加え、「大発会は年間を占う」とよく言われることが気になり、2000年から2015年まで過去16年の大発会と年間ベースの日経平均の騰落率をチェックしてみました。結果をまとめると以下のようになります。

・過去16年の大発会と年間の平均騰落率は+0.7%

・大発会がマイナスで年間がマイナスであった年は2回

・大発会がマイナスで年間がプラスであった年は2回

・大発会がプラスで年間がマイナスだった年は5回

・大発会がプラスで年間がプラスだったのは7回

注:2008年までの大発会は半日取引

こうしてみると、確かに大発会がプラスである年が多く、大発会がプラスの年は年間もプラスになりやすいことが分かります。実際、平均騰落率もプラスですので、「大発会は上がりやすい」ことになります。

今年の大発会は2008年以来の大きな下げとなったが...

こうした過去の振り返りをふまえると、今年の大発会は歴史的に見て非常に厳しいものであったということになります。また、金融危機により年間騰落率が▲42%となった2008年の大発会(▲4%)に次ぐ下落率であったことも気になるところです。

ただし、マイナスでスタートしても、年間がマイナスで終わった年とプラスで終わった年が各2回あったことにも注目したいと思います。つまり、どちらとも言えない、ということです。

2016年は大変厳しいスタートとなりましたが、まずはあわてないことが大切です。大発会も年間250日ある取引日の1日にすぎないという割り切りも必要です。

このような日でも、さくらインターネット(3778)、ヒトコム(3654)、ライオンEX(6082)など32銘柄が昨年来の新高値を更新しています。日々の値動き、特に、日経平均だけにとらわれ過ぎず、個々の銘柄をじっくりと調べ、2016年を素晴らしい1年としたいものです。

LIMO編集部