親世代にとっては「運動会=秋」だったものですが、今では全国的にも5月に行われるのが主流となりつつあります。その運動会、少子化社会も相まって親戚一同が集まるケースもあるのをご存じでしょうか?

筆者の子供たちが就学する前の話になりますが、毎年運動会が行われる土曜日に近所を散歩していると「◯◯小学校はどこですか?」と道を尋ねられたものです。聞けば姪っ子や甥っ子の運動会を見に来た、との返答。また、「姪っ子の子供の運動会を見に来た」という70歳前後のおばあさんに出会ったこともあります。

案内とばかりに小学校に連れて行くと、人で溢れかえっています。「メディアで報道している運動会の場所取り問題って本当なんだ!」と驚いたものです。

昔なら、運動会に顔を出すのは母親の仕事で、父親が来る同級生は珍しいほうでした。しかし、今や親戚一同も足を運ぶ大イベントになっているのです。そんな、子供より大人が前のめりになる運動会の実態を紹介します。

双方の祖父母が来るので場所取りも早めにする

まずは、場所取りに奔走する親たちの姿から。

校門前でシートを抱えて待機するお父さんたち

筆者の子供たちが通う小学校でも、子供の登校時間より早く動く親の姿を見かけます。運動会当日の朝、校門前に数人のお父さんたちが場所取りのためにシートを抱えて待っているのです。門が開くと同時に、程よく日陰で子供たちの競技の様子が分かる場所を確保しています。数年前には、前日の夕方に校庭にシートを置く猛者もいたようです。

シートの大きさも様々で、祖父母なども来る家庭のものは、6~8畳並と花見シートさながらの広さ。近所に祖父母や親戚が住んでいるお母さんたちの話を聞くと「親戚が顔を出すからシートも大きいものを用意しないといけない」とこぼしていました。

テントが乱立しキャンプ場のような校庭

キャンプ用品のテントを持つ家庭も増えていることから、校庭のあちこちにテントが設置されます。まるでキャンプ場のような光景が広がるのですが、カンカン照りや天気が怪しい年はこのテント率がグッと高まります。

小さい子供がいる家庭ではこのテントが活躍するようで、お兄ちゃんやお姉ちゃんの競技には目もくれずテントの中で遊んでいる様子を毎年目撃します。

ただし、テントの場所取りで親同士が揉めた年もありました。その翌年は一度テントが禁止されましたが、次年度には再び許可が出たのです。テント利用の要望が多数あり復活したようですが、一歩間違えるとトラブルを引き起こすので注意が必要です。

親戚が来るのでお弁当を多く準備しないといけない苦労

子供の頑張る姿を見るのが楽しい運動会ですが、お母さんにとってはストレスになるイベントでもあります。