2026年1月30日、総務省より最新の消費者物価指数(東京都区部・中旬速報値)が公表されました。
生鮮食品を除いた総合指数は前年の同じ月と比較して2.0%の上昇を示しており、生活費への影響だけでなく、「お金の価値」そのものが低下している状況がうかがえます。
2月に入り、値上げのニュースは依然として続いており、家計への負担は増すばかりです。
物価高が続く現代において、かつて話題となった「老後2000万円問題」でさえ、より多くの資金準備が必要な時代へと変化しているのかもしれません。
とくに、「おひとりさま世帯」にとって、計画的な資産形成は避けて通れない重要なテーマとなっています。
本記事では、最新の統計データをもとに30歳代~60歳代における「おひとりさまの貯蓄実態」を年代別にわかりやすく解説します。
一部の富裕層によって引き上げられがちな「平均値」ではなく、より実態に近い「中央値」にも焦点を当てることで、リアルな状況を客観的に把握していきましょう。
※全国の公表に先立ち、先行指標として東京都区部の数値が速報されたものです。
1. 「おひとりさま」の貯蓄額、年代別(30〜60歳代)の平均と中央値は?
それでは、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」から、単身世帯の貯蓄額に関する最新データを確認していきましょう。
1.1 30歳代単身者の貯蓄事情:平均値と中央値を比較
- 金融資産非保有:32.3%
- 100万円未満:14.2%
- 100~200万円未満:14.2%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.8%
- 500~700万円未満:5.5%
- 700~1000万円未満:3.1%
- 1000~1500万円未満:5.5%
- 1500~2000万円未満:4.3%
- 2000~3000万円未満:2.5%
- 3000万円以上:3.4%
- 無回答:3.1%
◆平均と中央値
- 平均:501万円
- 中央値:100万円
30歳代の貯蓄額を見ると、平均が501万円であるのに対し、中央値は100万円と、両者の間には5倍もの差が存在します。
金融資産を保有していない層(32.3%)と100万円未満の層(14.2%)を合計すると、約半数が貯蓄100万円以下という結果です。
一方で、3000万円以上を保有する層も3.4%おり、資産状況の二極化がはっきりと見て取れます。
1.2 40歳代単身者の貯蓄事情:平均値と中央値を比較
- 金融資産非保有:32.1%
- 100万円未満:15.1%
- 100~200万円未満:7.1%
- 200~300万円未満:5.9%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:4.6%
- 1000~1500万円未満:6.2%
- 1500~2000万円未満:1.2%
- 2000~3000万円未満:2.8%
- 3000万円以上:9.9%
- 無回答:2.5%
◆平均と中央値
- 平均:859万円
- 中央値:100万円
40歳代の貯蓄額は、平均が859万円に増加する一方で、中央値は30歳代から変わらず100万円という結果でした。
平均値との差は8倍以上に拡大し、資産格差がさらに進行している様子がうかがえます。
金融資産を持たない層(32.1%)と100万円未満の層(15.1%)を合わせると47.2%にのぼる一方、3000万円以上の資産を持つ層は約1割(9.9%)に達しています。
1.3 50歳代単身者の貯蓄事情:平均値と中央値を比較
- 金融資産非保有:35.2%
- 100万円未満:10.1%
- 100~200万円未満:7.4%
- 200~300万円未満:4.6%
- 300~400万円未満:2.7%
- 400~500万円未満:3.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:4.6%
- 1000~1500万円未満:6.0%
- 1500~2000万円未満:3.3%
- 2000~3000未満:5.5%
- 3000万円以上:10.4%
- 無回答:1.9%
◆平均と中央値
- 平均:999万円
- 中央値:120万円
50歳代の貯蓄額は平均が999万円、中央値が120万円です。40歳代と比べると平均は約140万円増えましたが、中央値の伸びは20万円に留まりました。
資産を保有していない層(35.2%)と100万円未満の層(10.1%)を合わせると依然として45%を超えていますが、3000万円以上の資産を持つ層も10.4%存在します。
定年退職が視野に入るこの世代では、一部の富裕層が平均値を大きく引き上げる「格差の拡大」がより顕著になっています。
1.4 60歳代単身者の貯蓄事情:平均値と中央値を比較
- 金融資産非保有:30.4%
- 100万円未満:9.1%
- 100~200万円未満:4.3%
- 200~300万円未満:2.4%
- 300~400万円未満:4.5%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.0%
- 700~1000万円未満:4.8%
- 1000~1500万円未満:8.1%
- 1500~2000万円未満:4.1%
- 2000~3000万円未満:5.5%
- 3000万円以上:15.6%
- 無回答:2.2%
◆平均と中央値
- 平均:1364万円
- 中央値:300万円
60歳代になると、平均は1364万円、中央値は300万円まで上昇します。
退職金や相続による資産の増加が考えられますが、平均との差は依然として4倍以上あり、資産3000万円以上の層(15.6%)が全体の数値を大きく引き上げている構図に変わりはありません。
その一方で、資産を持たない層(30.4%)と100万円未満の層(9.1%)を合わせると約4割に達しており、本格的な老後を迎えても二極化の構造は続いています。
これからは手元の資金を「取り崩していく」段階に入るため、いかに資産寿命を延ばしていくかが大きな課題となる世代です。
2. 無理のないペースで資産形成を進めていこう
ここまで、最新の統計データをもとに30歳代~60歳代における「おひとりさまの貯蓄実態」を年代別に解説しました。
今回見てきた統計データは、あくまで全体像を把握するための一つの指標です。
住宅ローンといった「負債」を差し引いた純資産額や、将来の住居費負担を軽減する「持ち家」の価値なども含め、総合的な視点で資産状況を捉えることが大切です。
貯蓄を進めるペースは、ライフイベントや個々の状況によって差が出るのが当然です。
物価高が続く2026年だからこそ、ご自身の将来を見据えて無理のないペースで資産形成を進めてみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。




