株式市場の振り返り-日経平均株価は5日続落、米中貿易交渉を睨んで粗い値動き
2019年5月10日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 21,344円(▲57円、▲0.3%) 5日続落
- TOPIX 1,549.4(▲1.2、▲0.1%) 5日続落
- 東証マザーズ株価指数 911.4(▲3.1、▲0.4%) 3日続落
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:1,055、値下がり銘柄数:1,004、変わらず:81
- 値上がり業種数:14、値下がり業種数:19
- 年初来高値更新銘柄数:44、年初来安値更新銘柄数:365
東証1部の出来高は17億4,057万株、売買代金は3兆1,340億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米中貿易摩擦の再燃が懸念される中、決算発表も相重なって、売り買いが交錯しました。また、ミニSQ算出に伴う売買の嵩上げも出た結果、売買代金は再び3兆円を超える活況となっています。
そのような中、日経平均株価は米中貿易交渉に対する期待などから前場の終盤には一時+181円高まで買い戻されましたが、後場に入ると一転してマイナス圏に沈みました。後場の半ばには一時▲226円安まで下落しましたが、その後は徐々に切り返し、結局は小幅安で引けています。
日中の値幅(高値と安値の差)が約408円となるなど、久しぶりに荒い値動きとなりました。これで5日続落となり、「令和」が始まってからいまだ上昇が見られていません。
なお、TOPIXも同じような値動きで5日続落となりました。
東証マザーズ株価指数は3日続落、売買代金は5日連続で1,000億円割れ
東証マザーズの出来高は5,834万株、売買代金969億円となり、いずれも概ね前日並みでした。個人投資家の様子見スタンスは引き続き強く、厳しい薄商いという状況ではないにせよ、売買代金は5日連続で1,000億円を割り込んでいます。
また、一部主力銘柄が利益確定売りに押された結果、株価指数は3日続落となりました。取引時間中には一時900ポイントを割り込む場面が見られるなど、下値不安は残ったままと言えましょう。
ソフトバンクGが一時▲6%超安の急落、大幅減益見通し発表の三菱自動車は大暴落
個別銘柄では、前日に好決算を発表したソフトバンクグループ(9984)が材料出尽くし感などから一時▲6%超安の急落となり、テルモ(4543)も一時▲8%超安の急落となりました。
また、同じく前日の決算発表で今期大幅減益見通しを公表した三菱自動車(7211)が一時▲15%安に迫る大暴落となり、終値も▲14%安に迫る久々の暴落となっています。
その他では、ハイテク株でパナソニック(6752)が▲7%安に迫る急落となって年初来安値を更新し、シャープ(6753)も▲6%安の急落となったことが目を引きました。
一方、ファーストリテイリング(9983)が堅調に推移して再び上場来高値を更新し、ファナック(6954)も9日ぶりに反発しました。また、武田薬品工業(4502)が大幅高となり、塩野義製薬(4507)も大きく値を上げるなど、医薬品株の一角が買い戻されています。
新興市場(東証マザーズ)では、赤字決算となったメルカリ(4385)が急落しました。また、サンバイオ(4592)が大幅安となり、串カツ田中ホールディングス(3547)も大幅続落となりました。一方、デジタルメディアプロフェッショナル(3652)が一時ストップ高まで買われ、ZUU(4387)も大幅上昇となっています。
葛西 裕一