いまだに大きな改善が見られていない待機児童問題。首都圏を中心に子どもを預けたいニーズに対して保育園の数は追いついておらず、各自治体では保育園建設が急務となっています。
その一方で問題となっているのが、近隣住民による保育園建設・開設への反対。反対理由の多くが「子どもの声がうるさい」「送迎の保護者のマナーが心配」「静かな住環境でなくなってしまう」といったもの。こうした反対の声によって、建設予定だった保育園の開設は中止や延期に追い込まれているケースも少なくありません。
しかし、近所に保育園ができると本当に子どもや保護者によって騒がしく、落ち着いて住めないのでしょうか。保育園の斜向かいに家を求めた筆者の経験をお伝えします。
子どもや保護者の声が騒音とは言うけれど…
筆者宅の斜向かいにあるのは認可保育園。距離にすると15メートルほどしかない近さです。
引っ越してくる前にはすでに建設されていたため、筆者は斜向かいに保育園があることを承知の上で住むことを決めました。筆者自身が子育て世代ということもあるかもしれませんが、社会に必要不可欠である保育園が近所にあることに、なんの疑問や嫌悪感も抱かなかったからです。
そもそも保育園には、主に就労している親が子どもを預けに来ています。送りに行く朝はこれから出勤するゆえに時間がなく、迎えに行く夕方~夜も帰宅後には夕ご飯やお風呂が待っているため時間がありません。
つまり、保護者は、毎日バタバタと保育園へ送迎しているケースが往々にしてあります。特に朝は、保育園の外でゆったりと保護者同士会話をしていたり園児同士が叫んだりしている様子はほとんど目にしないのが現状です。
保護者のマナーは保育園に求めるべき?
もちろん、全く子どもの声が聞こえないわけではありません。夕方17時、18時頃のお迎えの時間になると、たまに4~5歳の園児たちが「バイバ~イ!」「また明日ね」と互いに挨拶をしている声や園児と保護者が会話している声が聞こえてきます。