株式市場の振り返り―原油安、円高進展を受けて大幅反落

2016年1月20日の東京株式市場は、日経平均株価、TOPIXともに前日比▲3.7%下落しました。休日明けの米国市場の戻りが弱かったことから寄り付きは小安く始まり、その後、原油先物市場の下落や円高の進行、中国上海株式市場の下落を受け下げ幅を広げました。なお、東証1部売買代金は2.67兆円となり前日比+22%増加しています。

セクター動向と主要銘柄の動き―リスクオフで全面安の展開

東証33業種別では、33業種全てが下落しました。下落率が小さかったのは、水産・農林業▲1.6%下落、精密機器▲1.9%下落、食料品▲2.4%下落。一方、下げが大きかった3業種は、鉱業▲6.0%下落、海運業▲5.9%下落、不動産業▲5.5%下落です。

日経300で上昇したのは、日本水産(1332、水産・農林業)、花王(4452、化学工業)、キユーピー(2809、食料品)の3社だけでした。一方、値下がり率上位3社は郵船ロジスティック(9370、倉庫・運輸関連業)、ソニー(6758、電気機器)、前田道路(1883、建設業)でした。

キユーピーについては、20日付け日本経済新聞で、今春の新商品を絞り込み効率経営を進めることが報じられたことが好感されたようです。また、前田道路については、震災復旧工事での談合の疑いで家宅捜索を受けたことが大幅下落の要因と見られます。

本日のポイントと注目テーマと関連銘柄

2016年に入り、既に営業日ベースで12日が経過しましたが、上昇したのはたったの2営業日だけです。20日の下げは、原油安が止まらないことに加え、IMFによる世界の成長率の下方修正で一段と外部環境に対する不安が高まったことが要因と見られます。

また、19日は輸出関連が買われた一方で、20日はソニーが▲8.0%安、任天堂(7974)が▲7.0%安、ダイキン(6367)が▲6.7%安となるなど、輸出関連が大幅に下落したことから円高が一段と進行したことも無視できない要因として指摘できます。

20日引け後には安川電機(6506)が2016年3月期Q3(10-12月期)決算を発表し、通期会社予想を下方修正しています。既に同社株は年初から大幅に下落していますが、こうした悪材料に対して、株式市場がさらにネガティブな反応を示すか、あるいは織り込み済みとなるのか?

いずれにせよ、これから本格化する日本企業の決算に向けての心構えを示唆することになると見られるため、注目していきたいと思います。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

LIMO編集部