セルシード、通期は創業以来初の黒字化を達成 台湾での独占的事業提携契約が大きく寄与

2019年2月20日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、株式会社セルシード2018年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社セルシード 代表取締役社長 橋本せつ子 氏

株式会社セルシード会社概要

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橋本せつ子氏:株式会社セルシードの橋本せつ子です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にお越しくださいまして、どうもありがとうございます。さっそくご報告を差し上げたいと思います。本日は、会社概要に始まり、2018年12月期の損益概況、そして向こう3年間の中期経営計画の概要についてご説明します。

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まず、私ども株式会社セルシードの設立は2001年5月です。2010年には、東京証券取引所JASDAQグロースに上場しております。

私たちが持っている基盤技術は、東京女子医科大学の岡野光夫教授が開発された、温度応答性ポリマーを用いた細胞シート工学です。これは、細胞を生きたままシート状につくれるという特殊な技術です。日本初であり、世界でも我々しか持っていない技術です。

現在、大きく分けて2つの事業がございます。まず、(スライドの)右下の「再生医療支援事業」です。温度応答性ポリマーをあらかじめ付着させた特殊な培養皿の開発・製造・販売を行っております。これは、細胞シートをつくるためのツールです。日本だけでなく、世界の研究者の先生方に使っていただいております。また、昨年(2018年)から、再生医療受託サービスも始めました。これについては、後ほど詳しくご説明いたします。

そしてもう1つの事業が、「細胞シート再生医療事業」です。細胞シートを用いてさまざまな病気の治療法を開発する事業で、私たちにとって、これから最も達成したい目標となる事業軸です。

再生医療

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私たちは、自分たちの研究所を持っているわけではありません。世界中の大学の研究者の先生たちが研究された中からシーズを見つけ出し、それを最終的に患者さんに届けられるように、例えば治験や製造を行って、承認を取る。こういったプロセスを経て、実際に事業化まで持っていくところに立ち位置を定めております。

私たちは、このユニークな技術を、日本だけでなく世界に展開して、世界の医療に貢献するというミッションを掲げております。

「細胞シート工学」を用いた治療の開発

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「細胞シート工学」を用いた治療については、この(スライドの)絵に示されているように、現在、さまざまな臓器・疾病の治療法が開発されています。現在、私どもは、食道がんの内視鏡による手術のあとの狭窄予防という適応症で開発を進めております。もう1つは、膝の軟骨の損傷に伴う変形性膝関節症の治療です。現在、この2つの品目に焦点を絞って、開発活動を続けております。

連結損益数値(2018年12月期)

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それでは、2018年12月期の損益概況についてご報告いたします。この(スライドの)表にありますように、ちょうど1年前に2018年度の売上予想として出したのが、売上高11億7,000万円、営業利益2,000万円、経常利益5,000万円という数値で、2018年度は絶対に黒字化を達成するという決意のもとで事業を行ってまいりました。

その結果、昨年度の売上高は10億2,600万円、営業利益は1億4,000万円となり、経常利益も1億4,000万円という数字を達成することができました。実は、当社としては創業以来初めての黒字化を達成することができました。

予想との比較をここ(スライドの表)にお示ししておりますが、売上高は当初の予想を下回っております。一方、営業利益は、2,000万円(の予想)が1億4,000万円ということで、当初の目標を上回る利益を上げることができました。

売上の内訳ですが、再生医療支援事業に関しては、2018年度は前年度(2017年度)とほぼ同水準で推移しております。(売上が)増加した大きな要因は、細胞シート再生医療事業の売上にあります。2017年度が1,600万円であったのに対し、2018年度は9億6,000万円と、非常に大きな伸びを示しております。この伸びはすべて、台湾での独占的事業提携契約による売上高9億6,000万円から成っています。

また、売上が当初の予想を下回ったのに対し、利益は(予想を)大幅に上回った理由としては、販管費やいろいろな経費に関して、開発業務委託費用や細胞培養施設の維持費用等の支出が、当初の予想を下回ったということが主な要因となっております。

私どもは、創業以来17年にわたって赤字が続いていましたが、初めて黒字化を達成することができました。非常に安堵しておりますし、長い間辛抱強く支えてくださった株主のみなさまには、本当にお礼の言葉もありません。

中期経営計画(2019年―2021年)

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次に、中期経営計画についてご説明します。2019年度から始まる向こう3年の中期経営計画は、6つの柱から成っております。昨年(2018年)発表した中期経営計画と基本線は変わっておりません。

まず、食道再生上皮シートの製造販売承認申請というのが、一番大きな目標です。そして、軟骨再生シートの治験開始に向けた開発を加速するということを2つ目の柱にしております。3つ目の柱は、次期品目の開発に着手することです。

4つ目に、こうした製品がこれから世の中に出ていくにあたって、会社内部、あるいは外部の組織・インフラ体制の構築を進めてまいります。5つ目の柱としては、再生医療支援製品の新開発・収益機会の獲得を目指します。これは、培養器材や受託サービスの部分です。そして最後の柱は、私たちにとって重要な柱ですが、世界展開に向けた事業提携をさらに推進していきたいと思っています。

日本人の食道がん

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6つの柱のそれぞれの項目について、具体的にご説明します。まず、食道再生(上皮)シートの開発です。これは、現在非常に数が増えてきているといわれる食道がんの手術のあとの治療になります。

日本で食道がんに罹患される患者さんは、毎年約22,000人いらっしゃるということです。残念ながら、そのうち約半数の方が食道がんで亡くなられています。男性の発症率および死亡率は女性の約5倍となっております。

日本では、食道がんの患者さんの約9割が扁平上皮がんといわれる種類のがんです。いまのところ、5年生存率は男性が36パーセント、女性が44パーセントと非常に低い、予後の悪いがんです。

これまでの治療法としては、大きな外科手術……胸を開いて食道を切除するといった手術が行われてまいりましたが、近年、日本では内視鏡を使った手術(ESD)が非常に増加しております。

この内視鏡の手術によって、患者さんにとっての負担はぐっと減るわけですが、1つだけ副作用があります。内視鏡を使ってがんの部分を切除するのですが、傷が治るにしたがって、その部分が狭窄を起こして食道が縮まってしまい、水を飲んだり食事をすることが非常に困難になるという副作用が知られております。

私たちがいま開発している細胞シートは、内視鏡による切除手術のあとの狭窄を予防するための治療法です。具体的にどうするかといいますと、まず患者さんご自身の口の中から少し細胞を採取します。それを私どもの温度応答性の培養皿で培養いたしますと、約2週間かけて、細胞シートを数枚作製することができます。

そして、患者さんが内視鏡の手術を受けられたあと、傷口にこの細胞シートを貼って、傷が治るのを助ける。その結果として、狭窄が起こるのを予防するという治療法です。

食道再生上皮シート製品化への道

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この治療法は、もともと東京女子医科大学の先生たちが開発をされて、まず大学で臨床研究が行われました。2008年から2014年にかけて、東京女子医科大学で10例、そして東京女子医科大学と長崎大学の協力により、さらに10例の患者さんで臨床研究が行われました。その後、スウェーデンのカロリンスカ大学病院にこの技術を移転して、スウェーデンでも10例の患者さんで臨床研究が行われました。

この臨床研究において非常に良好な成績が得られましたので、今度はセルシードがバトンを引き継いで、日本での治験、そして海外での展開を行ってまいりました。

日本におきましては、2016年4月に治験届を出して、国内での治験を2016年の夏から開始しました。約2年ほどかかりましたが、昨年(2018年)半ばに患者さんの症例登録を終え、今年度の第1四半期で治験を正式に終了することができるところまでまいりました。

ところが、先週(2019年2月15日)発表いたしましたように、この治験の安全性は確認されましたが、その有効性については統計的な優位性が得られるところまで至りませんでした。現在、PMDAと相談しておりますが、PMDAからは有効性を示す追加のデータを出すよう求められております。

一方、海外展開については、まず欧州では、欧州医薬品庁(EMA)と相談しております。そして2017年4月には、台湾のMetaTech社と事業提携の契約を結ぶことができ、この食道(再生上皮)シートに関する台湾での独占的な開発権をMetaTech社に付与いたしました。

現在、台湾の企業は、この食道(再生上皮シート)の開発を始める準備を進めており、私どもからさまざまなデータやトレーニングなどを提供して、昨年(2018年)12月末に台湾での治験届を提出したところです。

食道再生上皮シート治験結果の概要

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先ほども申し上げましたが、日本での治験の成績について、少し詳しくご説明したいと思います。少々専門的になりますので、なるべくわかりやすく、順を追ってご説明したいと思います。

食道がんの内視鏡による切除では、切除する傷の大きさによって、狭窄が起こったり起こらなかったりします。私どもは、まず治験に登録する患者さんの登録基準を定めました。

それが、この(スライドの)グラフに書いてあります。例えば、食道を長い管と思ってください。上から見て、管の何パーセントを切っているかというのを「周在率」という言葉で表しております。そして、食道の縦方向にどれぐらい切除するかというのを「長軸径」といいます。このグラフでは、周在率……例えば、全周のうち、半分切るのか、または全部切るのかということを横軸に、また、縦の長さに相当するもの(長軸径)を縦軸に表しております。

治験に登録する患者さんの選択基準として、私たちは周在率が75パーセント以上と設定いたしました。75パーセントということは、食道の4分の3以上を手術で切るということになります。そして、長さは80ミリメートル、要するに8センチメートル未満という基準を設定いたしました。まず、これが患者さんの登録基準です。

そういう患者さんがいらしたら、まず病院で診察していただいて、がんの大きさや発症している部位などを確かめた上で、どれくらいのサイズの切除をすることになるのかという切除の予想の数値をお医者さんが判断されます。その切除範囲が基準に合った患者さんを、治験の患者さんとして登録します。

次に、実際に手術を受けられたあとに、切り取った組織のサイズをもう一度測ってみます。そうしますと、最初はこの範囲(スライドのグラフの黄色の枠内)におさまる患者さんを登録したはずが、実際手術をしてみたら、切ったサイズがこれよりももっと大きな患者さんがたくさん入っていたということが、結果的にわかってまいりました。

このグラフでは、今回の治験の患者さんを赤色の印でお示ししています。赤色の印のうち、丸いものが狭窄が予防できた例で、三角は残念ながら狭窄が起こってしまった例ということになります。

そして同じグラフに、過去の長崎大学での例を青色の印で示しております。青色も同様に、丸で示したものはちゃんと狭窄が予防できた例、三角は狭窄が起こってしまった例です。さらに、緑色の印は東京女子医科大学で最初に行われた臨床研究の成績です。こちらも、丸は狭窄が予防できた例、三角は狭窄が起こってしまった例ということになります。

私どもでもいろいろと原因を解析しているところですが、考えられる原因として、まず1つは、私たちの基準を外れた患者さんがずいぶんたくさんいらしたことです。とくに、縦方向に長い患者さんがかなり多かったということが、1つの大きな原因になるのではないかと思っています。

また、周在率に関しましても、100パーセント……要するに、全周とった患者さんの場合には、長崎大学においても狭窄が起こっているということも、結果の分析からわかってまいりました。

このデータをPMDAにお示ししましたところ、残念ながらこれでは有効性をまだ十分に証明できないということで、現在、追加の試験を求められております。そこで、私どもはPMDAと相談を重ね、どういう試験・プロトコルで進めていくべきかということを話し合っているところです。

以上が、この2年間にわたって行ってきた食道(再生上皮シート)の治験の成績と、現在私たちが考えている原因です。実際に、選択基準の中に入った患者さんだけを見ますと、ここ(グラフの右側の黄色の枠内)にあるように、臨床研究と今回の治験の例をすべて合わせて14例あり、そのうち狭窄が予防できたのが8例ということで、57.1パーセントの有効率は期待できるのではないかなというデータもございます。

食道再生上皮シート開発スケジュール

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先ほどもご説明しましたように、これから私どもは、PMDAと相談をしながら、もう一度追加治験のデザインを行い、追加治験の治験届を提出する予定です。そして今年(2019年)から来年(2020年)にかけて(追加)治験を行い、2021年には(追加)治験を終了し、2022年に製造販売承認申請をするという計画を立てております。

ただし、今後のPMDAとの相談で何症例のデータを要求されるかなどによって、(スケジュールが)変わってくる可能性がございます。

東海大学とセルシードとの共同開発

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次に、膝の軟骨(シート)の開発について、進捗をご報告したいと思います。膝の軟骨(シート)の開発は、東海大学医学部の佐藤正人教授との共同研究で進めています。これまで東海大学では、自己の細胞シート……つまり、患者さんご自身の軟骨からつくった細胞シートで損傷した軟骨を再生させるという治療法と、他人の細胞を使った治療法の2つの治療法が研究されてまいりました。

自己の細胞シートは2010年から臨床研究が行われ、これまでに8症例の患者さんでデータが得られ、臨床研究がすでに完了しております。この成果をもって、東海大学の大学病院では先進医療を行うということで申請してこられました。

この先進医療は、今年(2019年)1月の先進医療会議で承認を得られました。そこで、いま東海大学の大学病院では、この治療を提供するための準備を進めていらっしゃいます。この治療が始まりましたら、細胞シートの製造は当社が受託するということで、現在準備を進めております。

もう1つの治療法、同種細胞の軟骨再生シートも、2017年から臨床研究が進んでおり、3年かけて10症例の患者さんで研究が進められています。この同種(の軟骨細胞シート)に関しましては、現在、AMEDという国の研究費を提供する機関からの支援を受けて、東海大学、セルシード、そしてDNAチップ研究所の3社で共同研究を進めており、現在、どういう因子があると、この細胞シートが効くのかということの探索をしております。こうした研究の過程から出てきた新たな知見に関しましては、特許を出願しております。

そして、先ほど申し上げましたように、自己の軟骨シートについては先進医療が始まりますので、その準備を始めております。同種の軟骨シートについても、治験の開始に向けた準備を社内で始めているところです。

軟骨シートに関しては、先ほどの食道(再生上皮シート)と同様に、台湾のMeta Tech社にも導出をいたしました。ちょうど、導出して台湾での開発を検討しているときに、台湾政府が再生医療に関する新たな法律を制定しようとしております。現在、この新しい法律に沿ったかたちで軟骨(シート)の開発をするということを話し合っているところです。

<自己細胞>軟骨再生シートの開発

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話が少し戻りますが、自己細胞の軟骨再生シートについてです。この(スライドの図の)ように、膝の軟骨が損傷した部分にシートを移植して、その損傷した軟骨を再生させるという治療です。

<同種細胞>軟骨細胞シートの開発

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同種に関しては、どういう細胞を使うかということが一番問題になってまいります。この場合は、多指(趾)症といわれる赤ちゃんの組織で、手術で切除した組織をいただいてきて、そこから軟骨細胞を取り出し、それを一旦増やして凍結保存し、ストックにします。そして、このストックを用いて細胞シートをつくり、それを移植するという方法になります。

東海大学では、2017年2月に、この同種の軟骨細胞シートを用いた最初の移植が行われ、すでに数例の患者さんで臨床研究が進んでおります。東海大学の予定では、2020年3月までに10例の移植を完了させる予定と伺っております。

将来的には、この方法を私どもに移管して、セルシードとして新たに細胞のストックをつくり、それを用いて治験を行い開発をするということで、現在、治験を開始するための準備を行っています。こうした活動に関しましても、AMEDからさまざまなご支援をいただいております。

再生医療支援事業 再生医療受託サービス

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次に、再生医療の支援事業についてお話しします。再生医療の支援事業は、昨年(2018年)から始めたもので、まずは細胞シートの製法開発・受託製造というサービスを提供しております。

いろいろな大学の先生方が細胞シートを使った研究を進められていますが、臨床研究を行ったり、あるいは医師主導治験を行われる際に、大学で(細胞)シートを製造するのはなかなか大変です。そこで、私どもの細胞培養センターを使って細胞シートを製造させていただくというサービスです。

私どもは、すでに東京・お台場にあるテレコムセンターの中に、細胞培養センターをつくっております。そこは、特定細胞化合物製造許可を取得しております。また、食道(再生上皮シート)の今後の申請に向けて、再生医療等製品製造業許可も取得しています。

(再生医療受託サービスは)この施設を用いて、臨床培養士を含めた当社の専門スタッフが、細胞シートの(製造を)受託をするというサービスです。昨年(2018年)11月に最初の受託を受けました。

また、こういった臨床研究などをする場合には、申請書類を提出する等の事務作業も出てまいります。そうしたところの文書作成、あるいはコンサルティングなどのサービスも提供しております。また、細胞シートを培養でつくる技術者のトレーニングも、サービスとして提供しています。

次期開発品目の検討

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次に、第3の柱である次期開発品目の検討についてご紹介します。現在。私どもは、食道再生上皮シート、そして軟骨再生シートの開発を進めております。向こう2年くらいの間、2020年末頃までには、これらに続く第3の製品の開発案件を選定し、先方の先生方とも契約を結んだ上で、事業化を開始したいと考えております。

具体的な開発品目、あるいは地域については、相手方の研究実施機関との契約等の準備が整い次第着手したいと思います。

当社主催イノベーションフォーラムの開催

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私どもはこれまで、主に製品の開発に注力してまいりました。一方で、やはり細胞シート工学をより広く、より多くの研究者の方に知っていただきたいということで、今年、当社の主催としては初めてのイノベーションフォーラムを開催することにいたしました。

「第1回 細胞シート工学イノベーションフォーラム~細胞シートの未来を語ろう!~」ということで、今年(2019年)7月19日午後に、テレコムセンターのすぐ近くにある東京都立産業技術研究センターをお借りして、サイエンティフィックなフォーラムを開催したいと思っております。

現在、講演を予定されておりますのは、東京女子医科大学名誉教授である岡野光夫教授、同じく東京女子医科大学の清水達也先生、軟骨(再生シート)の開発をご一緒している東海大学の佐藤正人教授、そして東京医科歯科大学の教授である岩田隆紀教授です。岩田教授は、現在、歯根膜の細胞シートの医師主導治験を行っていらっしゃいまして、私どもが最初に受けた(細胞シート製品の製造)受託案件は、岩田先生の歯根膜の製造です。

こうした先生方にご講演をいただきながら、若い研究者に、より新しいチャレンジングな研究も発表してもらいたいということで、ポスターの演題を募集しております。これから少しずつ開発を進めながら、一方で新しい応用の研究にも少し手を広げていきたいと思っております。

世界展開に向けた事業提携推進

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最後の柱である、世界展開に向けた事業提携の推進についてです。先ほど申し上げましたように、現在、2017年に契約を結んだMetaTech社と、食道(再生上皮シート)と軟骨(再生シート)について、技術移転やさまざまなトレーニングなどの活動を進めております。また、MetaTech社と当社の共同で、台湾政府の支援の下での新規研究開発拠点の設立に向けた活動も予定しております。

そして、この既存の契約先以外に、さらに新規の契約を獲得したいということで、昨年来、事業提携・ライセンシングに向けて、アジア諸国・欧米を中心に活動してまいりました。交渉中の企業の中には、MetaTech社のように当社の開発品目に非常に関心を示してくださる企業がありますが、2018年中に契約に至る案件はございませんでした。

今後は、開発中のパイプラインの開発推進による事業価値の向上と並行して、アジア諸国・欧米をターゲットに、今回の中期経営計画の期間中に新たな事業提携先の獲得を目指していきたいと思っております。

台湾での事業提携

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おかげさまで、台湾のMetaTech社との提携は非常にスムーズに、当初の予定を上回るスピードで進んでおります。その結果として、昨年度は、全部で12億5,000万円の契約金のうち、9億6,000万円を計上することができました。将来的に、台湾で軟骨(再生シート)あるいは食道(再生上皮シート)の製品が販売された場合には、その売上に応じたロイヤリティの収入も見込まれます。

そして台湾では、先ほども申し上げましたように、台湾政府が再生医療を促進するためのさまざまな政策を打ち出しております。この政策の下で、私どもはMetaTech社と新たな展開を考えたいと思っております。

中期経営計画(2019年―2021年)損益目標数値

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こうしたさまざまな計画をもとに、向こう3年間の損益の目標数値を、この(スライドの表の)ようにご発表したいと思います。

まず2019年12月期は、売上高が3億円、営業利益・経常利益がともにマイナス11億円。そして2020年12月期は、売上高が3億5,000万円、営業利益・経常利益がともにマイナス13億円。そして2021年12月期は、売上高が20億円、営業利益・経常利益がともに3億円です。

売上高構成は、再生医療支援事業に関しては、2019年度は3億円の半分にあたる1億5,000万円、2020年度は2億2,500万円、2021年度は3億円となる予定です。

細胞シート再生医療事業に関しては、2019年度は1億5,000万円、2020年度は1億2,500万円……この大半は、MetaTech社との契約から出てくる金額です。そして、2021年度は17億円という数字を挙げさせていただいております。これは、先ほどから申し上げているように、新規の提携契約から得られる収入を予定しております。

これから3年はこのような計画で、再生医療の事業化に向けて社員一丸となってがんばってまいりますので、引き続きみなさまのご支援をいただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。本日は、どうもありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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