夫婦は二人で支え合い、助け合うものです。では本当に支え合うことはできているのでしょうか?

中でも見直してみたいものが「家事分担」です。日々の生活を快適な状態に維持していくには、多くの家事の負担が必要となります。多くの家庭では、妻の方が家事の負担が多くなっています。

夫婦での家事分担をもう一度考えてみましょう。

一昔まえのの家事分担はどうなっていたの?

一昔前は「夫は仕事、妻は家事・育児」という分担がなされていました。しかし共働き家庭が増えている現代において、それは難しくなっています。厚生労働省の資料「専業主婦世帯と共働き世帯の推移」をみてみましょう。

昭和55年では専業主婦世帯は1,000万世帯以上なのに対し、共働き世帯は600万世帯ほど。妻が専業主婦となり、家事を一手に引き受けるのが多数派でした。しかし徐々に専業主婦世帯は減少し、逆に共働き世帯が増加します。平成2年でほぼ同数となり、平成13年には逆転。平成26年には専業主婦世帯が687万世帯なのに対して共働き世帯は1,114万世帯と共働き世帯が専業主婦世帯の2倍近くになっているのです。

共働きが当たりまえになった今の家事分担は?

マクロミル社が行った「2018年 共働き夫婦の家事分担調査」で家事分担の現状をチェックしてみましょう。

フルタイムで共働きをしている夫婦1,000名に家事分担について聞いたところ「妻がほとんどを担う」が26.9%、「妻が主だが、夫も少し分担」が37.5%、「妻と夫で分担」が30.7%でした。妻がメインで家事を担っているという家庭は64%となり、多くの家庭が妻の家事の負担が多くなっていることがわかります。

専業主婦の家庭ではどのようになっているの?

共働きでも妻がフルタイムではない家庭、妻が専業主婦の家庭ではどのようになっているのでしょうか?日経BPが行った「子育て世代の意識調査」では「お互いが扶養に入っていない共働き世帯」、「妻が夫の扶養に入っている共働き世帯」、「妻が働いていない世帯」で分けて調査しており、「妻が働いていない世帯」が最も妻の家事負担が多くなっていました。しかし「妻が働いていない世帯」の家事分担が「夫11%:妻89%」なのに対して「お互いが扶養に入っていない共働き世帯」でも「夫22%:妻78%」と差が少ない状態です。

ちなみにこの調査では、「パートナーとの家事分担率を教えてください」という質問を男性と女性に分けて算出しており、どの世帯でも男性側の答えは女性側の答えより夫の家事分担比率が大きくなっています。夫が「自分は家事を分担している」と思っていても、妻はその分担量に不満を抱いていることの現れかもしれません。

夫婦の家事分担の理想と現実とは

マクロミルのアンケートでは、家事分担の理想と現実についても調査しています。共働き夫婦の考える夫婦の家事分担の理想は「夫50%:妻50%」。夫にも妻と同じくらい家事を分担して欲しいと考えている方が40.9%で最も多く、次に多いのが「夫40%:妻60%」で22.2%でした。

しかし現実で最も多い家事分担は「夫10%:妻90%」で21.2%、次に多いのは「夫20%:妻80%」で18.3%です。理想である「夫50%:妻50%」は12.2%しかいませんでした。夫婦間の家事負担格差があることがわかる結果となっています。

家事分担はどうするのがよい?まずは「見えない家事」の「見える化」を!