老後の生活に備えた貯蓄を老後貯蓄といいますが、生活のために老後貯蓄を取り崩すタイミングはいつからなのでしょうか。公益財団法人・生命保険文化センターが発表した資料では、公的年金や退職金以外に準備した資金を生活費として使いはじめるのは平均で65.1歳からとしています。

何歳から貯蓄を老後の生活資金に使うようになるの?

ちなみに、老後資金の使用開始年齢は以下のとおりです。

71歳以上:3.3%
70歳:18.2
66から69歳:2.2%
65歳:39.5歳
61から64歳:2.2%
60歳:18.4%
59歳以下:1.8%
わからない:14.4%

定年退職の時期は人それぞれでしょうし、定年退職年齢や貯蓄額によって公的年金の支給タイミングは自分で調整されるという人もいるでしょうから、蓄えた貯蓄を取り崩すタイミングは異なってくるでしょう。ただ、この調査結果を参考に、自分の貯蓄を取り崩すタイミングについて、「65歳」というのは念頭に置いておいても悪くはないのではないでしょうか。あなたはあと何年で65歳になりますか?

老後の資金はどれくらい準備すればいいの?

老後資金に必要な金額を考えていきましょう。まず確認するのは、日本年金機構の「ねんきん定期便」。ここには、将来受け取ることができると予想される「見込み受給額」が記載されています。自分自身や家族が受給できる年金額を、いま一度チェックしておきましょう。本記事では、厚生労働省が発表しているモデル世帯(夫は平均賃金で40年勤務、妻はその間専業主婦)の2019年度の年金額、1カ月あたり22万1,277円を参考値として用います。

収入の次は、支出も確認しておきましょう。平成29年家計調査報告の世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯)によると、消費支出は60代世帯が1カ月平均29万84円、70代以上世帯は同23万4,628円です。
仮に年金支給開始が65歳として、85歳までに必要な経費を算出してみましょう。

65歳~69歳

22万1277円(年金額)-29万84円(支出額)=▲6万8,807円(1カ月の赤字額)

6万8,807円×12カ月×5年=412万8,420円

70歳~85歳

22万1277円(年金額)-23万4,628円(支出額)=▲1万3,351円(1カ月の赤字額)

1万3,351円×12カ月×15年=240万3,130円

合計すると約650万円です。年金を受給する前までには、少なくともこのくらいの貯えをしておく必要があるといえるでしょう。

老後資金を貯めるためにできること