2026年を迎えました。今年75歳を迎える人は、それまで加入していた国民健康保険や会社の健康保険から、後期高齢者医療保険に自動で移行します。
後期高齢者医療保険に加入する人は、医療機関窓口での医療費の支払いが原則1割(現役並み所得の人は3割)でしたが、2025年10月からは正式に1割・2割・3割のいずれかになりました。
加えて、高齢化により保険料は全体的に増加傾向にあります。後期高齢者は、月にいくら保険料を支払っているのでしょうか。この記事では、後期高齢者の医療保険料について解説します。
1. 後期高齢者医療保険料の全国平均は?
後期高齢者医療保険料の全国平均は、7192円です。後期高齢者医療保険は、各都道府県の「広域連合」という団体が運営します。各団体で保険料率などを決定するため、保険料は都道府県ごとに異なります。
東京都の9000円台や、愛知県、沖縄県の8000円台など、他地域に比べて保険料が高いところもあります。一方、青森県や岩手県の4000円台のように、平均を大きく下回る保険料額が設定されている地域も珍しくありません。保険料に差が生まれるのは、加入者数や給付額の多さ、地域ごとの賃金水準の違いなどが要因です。
次章では、後期高齢者医療保険料の決まり方について解説します。
2. 【後期高齢者医療保険料】保険料の決まり方
後期高齢者医療保険料は、以下の2つの要素から構成されます。
- 均等割:被保険者全員が均一に負担するお金
- 所得割:被保険者の所得金額に応じて負担するお金
所得に応じてかかる保険料が異なるため、同じ都道府県に住んでいても、人によって保険料の負担額は異なります。
例として、東京都の保険料の計算の仕方を見てみましょう。
- 均等割(4万7300円)+所得割(所得金額×9.67%)=保険料額(100円未満切り捨て)
※保険料上限額80万円。
なお、保険料については、2024年度から「支払える人に、より多く負担してもらう」という考え方のもと、見直しが始まっています。2024年度からは、現役世代の社会保険料の負担緩和や出産育児一時金の財源確保のために、保険料が引き上げられました。そのため、ここ2年で負担がやや増えた人もいるのではないでしょうか。
では、実際に納める保険料を次章でシミュレーションしてみましょう。
3. 【後期高齢者医療保険料】保険料をシミュレーション《年収別》
後期高齢者医療保険料の負担額を、3パターンに分けてシミュレーションしていきます。今回は、東京都新宿区に在住の人を例に、以下の収入額でシミュレーションしてみましょう。
- 年金収入150万円
- 年金収入200万円
- 年金収入300万円
保険料を算定する際は、以下の2つの控除が適用されます。
- 公的年金等控除:最低110万円
- 基礎控除:一律43万円
これをもとに、それぞれの収入額における保険料(年額)を計算してみましょう。
- 年金収入150万円:4万7300円
- 年金収入200万円:9万2700円
- 年金収入300万円:18万9400円
年金収入が150万円の場合は月額4000円程度、200万円の場合は月額8000円程度、300万円の場合は月額1万6000円程度です。
年金収入150万円だと、所得が0円になるため、均等割のみの負担で済みます。そのため、保険料は比較的低い金額です。平均に近い金額となるのは、年金収入200万円ほどです。年金収入が300万円ほどになると、1万5000円〜2万円ほどの金額となります。収入が多いため生活に余裕がありそうですが、その分負担する金額も増えるため、手取り額は少なくなりがちです。
次章では、2026年4月からの変更点や注意点について解説します。
4. 【2026年4月〜】子ども・子育て支援金が上乗せ
2026年4月分から、子ども・子育て支援金の徴収が始まります。子ども・子育て支援金とは、子育て支援策・少子化対策のための財源として徴収するものです。この支援金などで、児童手当の拡充や出生後休業支援給付金、こども誰でも通園制度など、さまざまな施策を実施します。
子ども・子育て支援金は、子育て世帯や現役世代だけでなく、後期高齢者も徴収対象です。加入している健康保険料に上乗せして徴収する予定であり、実質的に保険料負担が増えることになります。後期高齢者から徴収される加入者1人あたりの支援金の平均額は、以下のとおりです。
後期高齢者医療保険
- 2026年:200円
- 2027年:250円
- 2028年:350円
2026年は平均200円ですが、次第に金額は上昇する見込みです。年間で2400円〜4200円の負担となる予定です。
政府は賃上げや今後の社会保障改革によって、実質的な社会保障負担なしで支援金徴収を実現するとしています。後期高齢者は賃上げの恩恵を受けにくいため、社会保障改革がどれだけ進むかがポイントとなるでしょう。
5. まとめ
後期高齢者の医療保険料は、都道府県やその人の所得に応じて変わります。全国平均は7000円台ですが、人によってはさらに多い保険料が徴収され、手取り年金額が減るケースもあるでしょう。
加えて、2026年4月からは子ども・子育て支援金の徴収が始まります。社会保障改革により実質的な負担はない見込みですが、この機会にあらためて家計を見直してみることも重要になるでしょう。


