「自分の貯蓄額は多いのか、それとも少ないのか」。

多くの人が一度は気になるテーマですが、実際には同じ収入でも「自然と貯まる人」と「なぜかお金が残らない人」に分かれます。

その差は、年収の高さだけで決まるものではありません。

実際の貯蓄データを見ると、収入水準が近くても貯蓄額には開きがあります。

本記事では、年代別・世代別の貯蓄データと、元銀行員の視点から「お金が逃げていく人」に共通する特徴を整理します。

1. 【最新データ】みんなの貯蓄はどれくらい?単身世帯の貯蓄額分布(金融資産を持たない世帯含む)

ここでは、2025年12月18日に公表されたJ-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計と金融行動に関する世論調査(2025年)」のデータをもとに、単身世帯の貯蓄額の割合や平均・中央値を世代別に紹介します。

単身世帯の貯蓄額の割合 平均・中央値1/2

単身世帯の貯蓄額の割合 平均・中央値

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年」をもとに筆者作成※無回答を除いて作成

単身世帯の貯蓄状況を見ると、金融資産をほとんどもたない層から、まとまった資産を保有する層まで幅広く分布しています。

目立つのは、貯蓄ゼロ~100万円未満の層が一定数存在する一方で、1000万円以上を保有する層も少ない点です。

単身世帯では収入額の違い以上に「お金の管理方法」が貯蓄額に影響しやすい傾向です。

1.1 【単身世帯】世代別の貯蓄平均と中央値はいくら?

【世代別:平均:中央値】

  • 20歳代:255万円:37万円
  • 30歳代:501万円:100万円
  • 40歳代:859万円:100万円
  • 50歳代:999万円:120万円
  • 60歳代:1364万円:300万円
  • 70歳代:1489万円:500万円

年代が上がるにつれて平均額は増加しますが、中央値は各世代とも比較的低い水準にとどまっています。

このことから、一部の高額貯蓄者が平均値を押し上げており、実際の家計状況にはばらつきがあるとわかります。

2. 【最新データ】みんなの貯蓄はどれくらい?二人以上世帯の貯蓄額分布(金融資産を持たない世帯含む)

2025年12月18日、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計と金融行動に関する世論調査(2025年)」に発表されたデータをもとに、二人以上世帯の貯蓄額の割合や平均・中央値を世代別に紹介します。

二人以上世帯の貯蓄額の割合 平均・中央値2/2

二人以上世帯の貯蓄額の割合 平均・中央値

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年」をもとに筆者作成※無回答を除いて作成

二人以上世帯では、単身世帯に比べて平均的な貯蓄額は高くなるものの、すべての世帯が同じように貯められているわけではありません。

貯蓄がほとんどない世帯と、十分な金融資産を保有している世帯に分かれる傾向がみられます。

教育費や住宅費など支出項目が増える分、家計管理の差が貯蓄額に直結しやすいのが特徴です。

2.1 【2人以上世帯】世代別の貯蓄平均と中央値はいくら?

【世代別:平均:中央値】

  • 20歳代:525万円:125万円
  • 30歳代:1096万円:311万円
  • 40歳代:1486万円:500万円
  • 50歳代:1908万円:700万円
  • 60歳代:2683万円:1400万円
  • 70歳代:2416万円:1178万円

二人以上世帯では、年代が上がるにつれて平均・中央値ともに増加しており、単身世帯に比べて全体的に貯蓄水準が高い傾向です。

ただし、平均と中央値の差は各世代で大きく、世帯構成が同じでも貯蓄額には幅があることがかがえます。

3. データから見る世帯・世代別の貯蓄の差

貯蓄データを全体で見ると、「多くの人が平均的に貯めている」というより、貯めている人とそうでない人の二極化が進んでいると分かります。

この差は必ずしも収入の差だけでは説明できません。

次の章では、「お金が逃げていく人」に共通する行動や考え方を見ていきます。

4. 「お金が逃げていく人」に共通すること

貯蓄額の差は、収入の多さだけで決まるものではありません。

実際の暮らしの中でのお金との向き合い方を見ると、貯まりにくい人には共通した行動がみられます。

4.1 お金の流れを把握していない

お金が貯まりにくい人に共通するのが、日々の支出を「なんとなく」で把握している点です。

家計簿を付けていなかったり、毎月いくら使っているのかを正確に把握していなかったりすると、支出のどこを見直せばよいのかが分からなくなります。

一方で、将来のお金に対して不安を感じている人は少なくありません。

不安があっても、行動につながっていない状態では、家計の改善は進みにくいといえるでしょう。

4.2 臨時収入を使ってしまう

ボーナスや臨時収入があったときの行動も、貯蓄に差が出やすいポイントです。

使い道をあらかじめ決めていない場合、生活費やその場の出費にあててしまい、結果として手元に残らないケースが多く見られます。

臨時収入を「貯蓄に回す」と決めている人は、収入の波があっても、計画的にお金を残しています。

4.3 いつか貯めると先送りにしている

貯蓄が思うように進まない人の中には、「今は余裕がない」「もう少し収入が増えてから」と考えている人もいます。

しかし、貯蓄は収入が増えた後に自然と始まるものではありません。

多くの場合、収入の多さよりも、お金に対する考え方や行動の順番が影響します。

「余ったら貯める」のではなく、「先に貯める」意識があるかどうかが、貯蓄額に差を生むポイントといえるでしょう。

5. まとめにかえて

貯蓄額の差は、収入の違いだけで決まるものではありません。

お金が貯まる人と貯まらない人の違いは、日々の行動や考え方に表れています。

臨時収入の使い道と貯蓄の優先順位を整理することが、無理のない資産形成につながります。

参考資料

円城 美由紀