師走に入り、少しずつ年末が近づいてきました。今年発表された「令和6年簡易生命表」によると、65歳の平均余命は男性が19.47年、女性が24.38年です。長寿化する日本では、長いセカンドライフを送ることになります。
セカンドライフは長い

出所:厚生労働省「令和6年 簡易生命表」等を参考にLIMO編集部作成
長寿化が進む日本では、定年後も長いセカンドライフが待っており、安定した生活資金の確保は重要です。実は、生活をサポートするため、年金に上乗せで受け取れる「年金生活者支援給付金」という公的制度があります。今回は、この給付金の対象者や支給額、そして見落としがちな申請方法について、詳しく解説していきます。
1. 年金生活者支援給付金、年金に上乗せの給付金「いつからはじまった制度?」
年金生活者支援給付金は、老齢年金・障害年金・遺族年金の受給者のうち、所得が一定基準以下の人を対象に、2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給される制度です。
給付額は毎年度見直され、物価の動きなども踏まえて調整される仕組みになっています。
1.1 年金生活者支援給付金制度が創設された「目的」とは?
年金生活者支援給付金制度は、2019年10月の消費税率引き上げ(8%→10%)にあわせて創設されたもので、所得が少なく年金額も低い高齢者や障害・遺族年金受給者の生活を支えることを目的としています。
この制度の目的は、年金生活者支援給付金の支給に関する法律第1条にも明記されています。
「この法律は、公的年金等の収入金額と一定の所得との合計額が一定の基準以下の老齢基礎年金の受給者に国民年金の保険料納付済期間及び保険料免除期間を基礎とした老齢年金生活者支援給付金又は保険料納付済期間を基礎とした補足的老齢年金生活者支援給付金を支給するとともに、所得の額が一定の基準以下の障害基礎年金又は遺族基礎年金の受給者に障害年金生活者支援給付金又は遺族年金生活者支援給付金を支給することにより、これらの者の生活の支援を図ることを目的とする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」
つまり、公的年金だけでは生活が難しい人に対し、年金に上乗せする形で給付金を支給し、最低限の生活を保障することを目的とした制度です。