4. まとめにかえて
今回は、令和7年度の障害年金の最新支給額や、65歳以降の年金併給の特例、そして再認定のしくみについて、統計データをもとに解説しました。障害年金は、障害基礎年金と障害厚生年金の2階建てで、等級や扶養家族によって受給額が変わります。
特に、会社員経験がある方は障害厚生年金と合わせて受け取れる可能性があり、障害年金生活者支援給付金も上乗せされます。しかし、最も大切なのは、「一度認定されたら一生もらえる」わけではないという事実です。新規裁定では、症状の変化を考慮し、2年・3年の短期更新が約6割を占めています。
つまり、受給中も定期的な再認定に備え、症状の記録や診断書の準備が不可欠となります。 65歳以降は、障害基礎年金+老齢厚生年金など、有利な組み合わせを選べる特例もあります。 病気や障害は誰にでも起こり得るリスクです。いざという時に困らないよう、ご自身の加入状況や今後の見通しについて、ぜひこの機会に年金事務所で確認するなど、「自分事」として年金制度を理解しておくことが安心な生活につながるでしょう。
参考資料
- 日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」
- 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
- 日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」
- 日本年金機構「パンフレット 知っておきたい年金のはなし」
- 日本年金機構「障害年金ガイド 令和7年度版」
村岸 理美