2025年は障害年金制度にとって大きな変革の年となり、認定プロセスの抜本的な見直しや不支給事案の検証が進められました。

本記事では、より個々の生活実態を重視する「総合評価」への変化や、2025年度の年金額(1級で約104万円)、最も支給決定が多い「精神・知的障害」の割合など、2025年の障害年金に関する主要なニュース3点をご紹介します。

1. 障害年金ニュース①今年の障害年金と障害年金生活者支援給付金「合わせていくらもらえる?」

公的年金は、物価や賃金の変動に合わせて、年金受給額を毎年見直しています。2025年度の障害年金の年金額について見ていきましょう。

1.1 障害基礎年金の年金は1級と2級のみ

2025年4月からの「障害基礎年金」年金額

  • 1級:年額103万9625円(一部は103万6625円)
  • 2級:年額83万1700円(一部は82万9300円)

受け取る年金額は昭和31年4月2日以降に生まれたかどうかで若干の差があります。また、子どもを扶養している場合は加算があり、2人まで各23万9300円、3人目以降は各7万9800円が年金に上乗せされます。等級や家族構成によって受給額が変わります。

1.2 障害厚生年金の年金は1級・2級・3級

障害厚生年金の年金額(令和7年4月分から)

障害厚生年金の年金額(令和7年4月分から)

出所:日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」

障害厚生年金は、1級・2級・3級まであり、加入期間中の給与額に応じて決まる「報酬比例」の年金額が基本です。報酬比例とは、年金制度への加入期間や給与水準をもとに計算されるしくみです。

1.3 2025年4月からの「障害厚生年金」年金額

  • 1級:報酬比例の年金額×1.25+配偶者加給年金(23万9300円)
  • 2級:報酬比例の年金額+配偶者加給年金(23万9300円)
  • 3級:報酬比例の年金額のみ
    (3級の最低保障額は62万3800円または62万2000円)

なお、障がいの程度が3級に満たない場合でも一定の要件を満たせば一時金として「障害手当金」が支給されることもあります。