12月は年内最後の年金支給日があります。厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。

ただしグラフのように、厚生年金を月額30万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額3万円未満となる人まで、幅広い受給額ゾーンにちらばっています。このように受給額に個人差がある年金ですが、年金受給者で所得などが一定基準に該当する方を対象とした「年金生活者支援給付金」という給付金制度があるのはご存知でしょうか。

今回は、年金生活者支援給付金について解説していきます。

1. 年金生活者支援給付金、「11万時間?」長いセカンドライフを支える大事な給付金制度

令和6年簡易生命表によると、65歳の平均余命は男性が19.47年、女性が24.38年です。長寿化する日本では、長いセカンドライフを送ることになります。

セカンドライフは長い

セカンドライフは長い

出所:厚生労働省「令和6年 簡易生命表」等を参考にLIMO編集部作成

仮に65歳の定年後22年間、食事や就寝時間を除いた1日14時間を自由時間とすると、その合計は11万2420時間にも上ります。これは、22歳から65歳までの現役時代の労働時間(1日8時間、年間250日、43年で8万6000時間と仮定)を大きく上回る時間です。

このように、老齢年金は現役時代を上回る長いセカンドライフの柱となる重要な収入源です。しかし、年金収入が少ない方にとっては生活の維持が課題となり、それを支援する制度として年金生活者支援給付金があります。次章では、年金生活者支援給付金の概要と給付額について詳しく解説します。