3. 【40歳未満・40歳代・50歳代】みんなの生活費「何が違う?」

貯蓄だけでなく、毎月の生活費がどの程度かかっているかも気になるところです。

総務省統計局「家計調査報告家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」より、今回は二人以上世帯のうち勤労者世帯に視点をあてて、世帯主の年齢階級別に月の生活費を確認します。

3.1 【40歳未満】月の生活費

  • 実収入:60万6539円
  • 消費支出:28万544円
  • 非消費支出:9万18円
  • 家計収支:23万5978円

3.2 【40歳代】月の生活費

  • 実収入:70万607円
  • 消費支出:33万1526円
  • 非消費支出:12万9607円
  • 家計収支:23万9474円

3.3 【50歳代】月の生活費

  • 実収入:71万898円
  • 消費支出:35万9951円
  • 非消費支出:14万1647円
  • 家計収支:20万9300円

収入は年代とともに増加していますが、そのぶん支出も増える傾向にあります。あくまで平均値であり、実際の家計は世帯ごとに大きく違う点にも注意が必要です。

4. 【みんなの貯蓄と生活費】数値は目安として、家計管理に役立てよう

今回の調査結果から、40代から70代の貯蓄状況は、単身世帯と二人以上世帯で大きく異なることがわかりました。特に単身世帯は平均値と中央値の差が大きく、50代では「貯蓄ゼロ」が4割を超えるなど、資産の二極化が鮮明です。一方で、二人以上世帯の60代以降では「貯蓄2000万円以上」が「貯蓄ゼロ」を上回るなど、着実に資産形成を進めている層も確実に存在しています。「平均値」が高くても、それはごく一部の富裕層に引き上げられている可能性があります。

平均をみて不安を感じるかもしれませんが、数値は目安として捉え、まずは自身の家計を見直すきっかけにしましょう。日々の支出を把握し、NISAなどの優遇制度も活用しながら、無理のない範囲で資産形成を続けることが大切です。人と比べるのではなく、あなたのペースで将来の安心につながる備えを積み上げていきましょう。

参考資料

村岸 理美