3. 【シミュレーション】月の積立額を増やしたら「年利3%」で25年後いくらになる?

一括投資では「買うタイミング・売るタイミング」の見極めが難しい一方、積立投資は時間を分散させることで購入価格を平均化できる点が大きな特徴です。

積立投資で重視したいのは、「どの商品に投資するか」と「毎月いくら積み立てるか」という2点です。

まず、毎月の積立額は、自分がどの程度の値下がりリスクに耐えられるか(リスク許容度)に応じて設定することが重要です。

また、積立可能額はライフステージによって変化します。日本では一般的に、年齢が上がるほど収入が増える傾向があるため、若い時期は積立額を多く確保できないこともあるでしょう。

反対に、年齢とともに収入が伸びたり、共働きになったり、子どもが独立したりすることで、積立に回せる金額が増えるケースもあります。

本章では、収入の増加に合わせて積立額を引き上げた場合のシミュレーション結果を、金融庁「NISAの活用事例」をもとに確認していきます。

シミュレーション

シミュレーション

出所:金融庁「NISAの活用事例」

月1万円から積立を始め、その後5年ごとに月2万円ずつ積立額を増やしながら、合計25年間・年利3%で運用した場合、最終的な資産額は約1958万円になるという試算結果が示されています(※月1万円→3万円→5万円→7万円→9万円を各5年間ずつ積立)。

このときの元本は1500万円のため、運用によっておよそ1.3倍の水準まで増える計算です。

もちろん、投資には損失リスクがあり、実際の結果は将来にならないと分かりませんが、長期・積立・分散の効果をイメージする際の一つの目安にはなるでしょう。

4. まとめにかえて

新NISAは、運用益が非課税になるという税制優遇制度ですが、投資対象の価格変動による元本割れのリスクは依然として存在します。

また、つみたて投資枠(積立投資)は一度設定すれば自動的に継続できるメリットがある一方で、収入の増加や家計収支の改善があっても設定が据え置かれがちです。

キャリアやライフイベントの変化に合わせ、積立金額を定期的に見直してみるのも良いですね。

10年、20年といった長期的な視点で、ご自身が納得して資金を託せる投資対象を慎重に選ぶことが、上手な資産運用の運用の基本となります。

余剰資金で、無理なく継続できる金額を、コツコツと積み上げながら資産を育てていけたら良いですね。

参考資料

マネー編集部NISA班