職場復帰後は、主に夫よりも妻の方が、保育園のお迎え時間に間に合うよう仕事を急いで切り上げたり、子どもの発熱によって仕事を休んだりといったことが頻繁に起こります。そんな出来事に遭遇するたび、仕事が好きな人は「もっと思いっきり仕事をしたい」とふと思ってしまうこともあるでしょう。

そして同時に、「なんで私ばっかり仕事と家庭の両立に悩まなければいけないの」という、仕事に集中できる夫への恨めしさも脳裏によぎるはず。そんなネガティブな感情がわき上がるたびに、夫には自分と同じくらいの目に見える“頑張り”や“苦労”を求めてしまうかもしれません。

しかし、より良い家庭を作るために夫婦共働きで頑張っているのに、自分が苦しんでいる分も夫に求めるというのは健全なやり方とは言えないでしょう。職場復帰後に大切なのは、「夫も自分も共に仕事を頑張っているんだ」という意識。そして、頑張りを求めすぎないこと。それは夫に対しても自分に対しても、です。

仕事と家庭の両立は、本当に簡単にいきません。夫に何かを求めたら求めた分だけ、その理想と違う現実にいら立ち、自分がどんどん苦しんでしまいます。

子どもが小学校に入る前で、夫婦が共働きをしている今はもしかしたら子育てで最も辛い期間かもしれません。まずは今の大変な時期を乗り越えるために、いったん夫にいろいろなことを求めるのをやめてみることも、必要なことと言えるでしょう。

まずは仕事と子育ての両立に慣れることを目標に

職場復帰するお母さんだけでなく、保育園に入園する子どもにとっても新しい環境に飛び込むことになる4月。すべてがスムーズにいくはずがないので、まずはお母さん自身が職場復帰後の仕事や生活リズムに慣れるということが最大の目標です。

慣れたら、「なんて自分はすごいんだ!」と自分を褒めてあげましょう。だって、仕事をしながら子育てしているなんて本当にすごいことですから。

そして仕事と家庭の両立がうまくいかないと感じた時、夫が家事育児をなかなか手伝ってくれない時こそ、「大丈夫、家族みんな頑張っているんだからサボってもいいんだ」と、自分自身に語りかけてみてください。“サボってもいい”と自分自身や家族を解放することで、新生活の最初に良いスタートが切れるはずです。

秋山 悠紀