肌寒い日が続き、冬の足音が聞こえてくる11月ですが、本格的な寒さに備えるのと同様に、老後の生活資金にもしっかりと備えられているでしょうか。
日本において高齢化が加速する中、老後の生活設計はますます重要な課題となっています。 特に、単身世帯の高齢者が増加している傾向は無視できません。
厚生労働省の2024年調査では、65歳以上がいる世帯の世帯構造において、単身世帯が最も多いという結果が示されました。 家族の形が変化する現代において、「おひとりさま」の老後をどのように支えていくのか、具体的なデータをもとに現実を知る必要があります。
人生100年時代と言われる今、単身で老後を迎える方々が抱える金銭的な不安、そしてその実態について、本記事で詳しく掘り下げていきます。 70歳代の単身世帯の貯蓄額、公的年金の平均受給額といった具体的な数字から、私たちが今、何を準備すべきかを見つめ直しましょう。
1. 「高齢者の単身世帯」はどのくらい?
まずは厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」より、65歳以上がいる世帯の世帯構造をみてみましょう。
1.1 65歳以上がいる世帯の世帯構造
- 単身世帯:32.7%
- 夫婦のみ世帯:31.8%
- 親と未婚の子のみの世帯:20.4%
- 三世代世帯:6.3%
- その他の世帯:8.8%
2024年より、最も多いのが「単身世帯」となりました。次に夫婦のみ世帯、そして親と未婚の子のみの世帯の順となっています。
