半導体産業の調査会社VLSI Research(米カリフォルニア州、日本窓口=㈱テクノロジー・パートナーズ、東京都品川区)は、2018年の半導体装置メーカー売り上げランキング(速報値)を発表した。18年の市場規模は前年比15.5%増の811億ドル、トップ15社の売り上げ規模は同17.8%増の約670億ドルとなり、3年連続の2桁成長となった。トップ15社の占有率は17年が約81%、18年は約83%となり、大手メーカーの寡占化がより進んでいる結果となった。
この速報値は、世界約350社の半導体装置メーカーを対象にした調査結果。売り上げの定義は、18年1~12月の半導体製造装置の売上高を集計したもので、サービス・サポートの売り上げを含むが、OEMの装置売り上げや販売代理業務に該当する装置は含まない。為替レートは17年が112.1円、18年が110.14円。
韓国SEMESが12位に
18年もApplied Materials(AMAT、米国)が1位を堅持した。AMATは11年に露光装置メーカーのASML(オランダ)に1位を奪われたことを除き、首位の座を長年堅持している。日本企業は東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREEN、Kokusai Electric、日立ハイテクノロジーズ、ダイフク、キヤノンがランクインし、15社中7社と約半数を占めた。東京エレクトロンがLam Research(米国)を抜いて14年以来の3位に返り咲いたほか、6位に入った半導体テスト装置のアドバンテストは前年比54.9%増と、大手15社中で最も大きな伸びを示した。
注目の1つが韓国SEMESの存在だ。同社は韓国サムスンの子会社であるためキャプティブメーカーに位置づけていたが、外販を開始して売り上げを拡大させてきたことで、ランキング12位に登場した。洗浄装置、コーター・デベロッパーをはじめ、エッチング装置、CVD装置、後工程装置まで取り扱いを拡大し、半導体・FPDの総合装置メーカーを目指している。
電子デバイス産業新聞 編集長 津村 明宏