冬の足音とともに、暖房費など出費が増える季節がやってきました。物価高の中、公的年金だけでゆとりある生活を送るのは困難です。

そこで、年金を含めて所得が一定基準より低い方を対象に、現金を上乗せする「年金生活者支援給付金」制度の活用が重要となります。

2025年度は給付額が引き上げられ、老齢年金生活者支援給付金の基準額は月額5450円(2カ月分で1万900円)です。この給付金は偶数月15日に年金とは別に支給されます。

厚生労働省のデータでは、シニア世帯の半数以上が「生活が苦しい」と感じており、受給資格がある方は必ず請求手続きが必要です。

今回は「年金生活者支援給付金」の支給額、支給要件、手続き方法を分かりやすく整理してお伝えしていきます。

1. 【給付額】2ヵ月に一度、年金に上乗せされる「年金生活者支援給付金」はいくらもらえる?

「年金生活者支援給付金」は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準に満たない場合に受け取れる給付金です。

老齢年金、障害年金、遺族年金のそれぞれの年金に給付金が設けられており、2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。また、給付額は公的年金と同様に、年度ごとに見直しがおこなわれます。

1.1 年金生活者支援給付金「2025年度の給付額」はいくら?

2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額は、前年度より+2.7%引き上げられており、6月支給分の「4・5月分給付金」から増額率が適用されています。

各給付金の2025年度月額は以下の通りです。

  • 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円

なお、老齢年金生活者支援給付金については、上記を基準額として、保険料納付済期間などをもとに実際の給付金額が計算されます。