同調査では、年金生活に不安を感じている人の「ある傾向」が見られたといいます。
それは、「夫の年金受給見込み額を事前に知らなかった人は、知っていた人より1.5倍不安になりやすい」というもの。事前に毎月どれだけの額の年金が受給されるのか知っておくことは、不安のない老後を送るうえで大切なことであるようです。
調査対象だった50代~79歳の女性は、専業主婦が主流だった時代を過ごしています。専業主婦の家庭では、老後資金として夫の退職金や年金が老後資金の根幹となるうえ、女性が家計を管理して、プライドを持って貯蓄に励んできた女性は少なくありません。
夫や自分の現役生活が終わり、「セカンドライフ」が訪れた夫婦にとって「毎月どのくらいの収入があって、どのくらい足りなくなるのか」という点を想定して話し合うことを避けると、仮に1億円持っていても不安になってしまうのかもしれません。
また、「老後、どのくらいお金が必要なのかわからないこと」は、老後が見えない若年層の不安の原因にもなっていると推測できます。
冒頭の調査では、全世代の男女の中で老後への不安感が特に強かったのは、20代と30代の女性。社会保障の負担が増加傾向にあるなかで、「自分たちがどれだけの年金を受給できるのか」について正しく知ることのできる機会は、不安を和らげるために必要なのかもしれません。
【参考】
『第7回 日本人の不安に関する意識調査』(セコム株式会社)
『シニア女性274人に聞いた「年金生活」に関する意識と実態調査 』(株式会社ハルメク)
北川 和子