ヨーロッパ国歌中、屈指の長い歴史を持つ「国王行進曲」ですが、1873年第一共和政、1931年第二共和政時代には退けられ、「リエゴ賛歌」が国歌に変わりました。

テニスのデビスカップで誤ってリエゴ賛歌が国歌として演奏され、大騒ぎになったことを覚えている人もいるのではないでしょうか。国歌だと間違われてしまうほどスペイン人にはなじみがあるということのようです。

リエゴ賛歌には、正式な歌詞のほかに出所不明の歌詞もあります。むしろ人気を得ているのは、この謎の歌詞のほうらしいのです。

謎の「リエゴ賛歌」
男が大便をしていた
しかし紙がなかった
アルフォンソ13世が近寄って
そいつと尻を拭き取った
(ウィキペディアより)

紹介したのはラスト部分ですが、冒頭から紹介していいものかどうか悩ましい表現の連続です。声に出して紹介するのではなく、文字でよかったという以外、言葉が見つかりません。

なぜ、いま、歌詞のない国歌なのか?

「国王行進曲」が最初に登場するのは1761年『スペイン歩兵の信号ラッパの命令の本』で、70年にカルロス3世が公式な行進曲とし、公の場で演奏されるようになったようです。その後、アルフォンソ13世、フランコ時代のように歌詞がつけられた時期もありましたが、現在、正式な歌詞はついていません。

もっとも歌詞をつけようとする動きはあり、公募したところ7000件の応募があったそうです。しかし正式な歌詞案が公表される前に流出したことから、延期されたままになっています。

独立問題を抱えるカタルーニャ、バスク、ガリシアなど言語が異なる地域があり、どの言語にするかという問題もあるようです。無理やり決めるくらいなら、歌詞のない国歌があってもいいように思ったりします。
 
参考:『世界の国歌』国歌研究会、世界の国歌・行進曲(world-anthem.com)

間宮 書子