4. いまのシニア世代の「国民年金」の平均月額はいくら?
2025年度の国民年金の満額は、前述のとおり「月額6万9308円」です。
参考までに、いまのシニア世代が受給する国民年金の平均月額データも見ておきましょう。
グラフでご覧いただいた通り、国民年金の受給額は、性別や個人の納付状況によって月額1万円未満から7万円以上と、大きな幅があることがわかります。
もし、将来受け取る年金額を少しでも増やしておきたいと考えるなら、「付加保険料(ふかほけんりょう)」の納付を検討してみてはいかがでしょうか。
これは、将来の国民年金の額を増やすことを目的として、毎月の国民年金保険料に任意で上乗せして納める仕組みです。制度がシンプルで非常にコストパフォーマンスが高いのが特徴として知られています。
付加保険料の対象となるのは主に国民年金の第1号被保険者(自営業者、フリーランス、学生など)や、65歳未満の任意加入被保険者です。
- 【付加保険料】月400円 × 12カ月 = 年間4800円
- 【増える年金額】月200円 × 12カ月 = 年間2400円
- 【メリット】この増額分(2400円)を2年間受けとると、納めた総額(4800円)と同額
つまり、老齢基礎年金を受け取り始めてから2年経てば付加保険料分の元がとれて、さらにそれ以降も、毎年2400円の付加年金が生涯にわたって上乗せとして支給され続けます。
5. まとめ:保険料の変遷と将来への備え
今回は、2025年に65歳になる方が支払ってきた国民年金保険料の変遷をたどりました。時代背景と共に保険料が上昇してきた過程がお分かりいただけたかと思います。
働き方が多様化する現代において、特に自営業やフリーランスの方々にとって、国民年金保険料の負担は決して軽くありません。
また、少子高齢化が進む日本では、将来的に年金の支給水準が引き下げられる可能性も考えられます。
公的年金は老後の生活の基盤ですが、保険料を納めつつ、ご自身で老後資金を準備することも、これからの時代には重要になるでしょう。この記事が、ご自身の将来設計を見つめ直すきっかけになれば幸いです。
参考資料
和田 直子
