12月も半ばを過ぎ、今年もいよいよ終わりが近づいてきました。街がせわしなくなるこの時期は、冬のボーナスや年末調整などをきっかけに、「今年のお金の使い方、これでよかったかな」と家計を見直す人も多いのではないでしょうか。中には「来年こそは何か始めたい」「将来の不安を少しでも減らしたい」と考えている方もいるかもしれません。
物価が上がり続ける今、預貯金だけでお金を守るのはなかなか難しくなってきました。そこで気になるのが新NISAです。ただ、「仕組みがよくわからない」「実際にどれくらい増えるのか想像できない」と感じて、なかなか一歩を踏み出せない人も少なくありません。
この記事では、新NISAの基本を整理しながら、積立を続けた場合にどの程度の資産形成が見込めるのかを、シミュレーションを交えて紹介していきます。新しい年を前に、無理のない形で始めるヒントとして役立ててもらえれば幸いです。
1. 【何がお得なの?】新NISAにはどんな「メリット」がある?
NISA(ニーサ)は、資産形成を支援する目的で2014年に導入された制度で、2024年からは改正された「新NISA」として運用が開始されました。
最大の特徴は、投資で得た利益に税金がかからない点にあります。
通常、投資の売却益や配当金には約20%の税金がかかりますが、NISAを利用することでそれらが非課税となり、利益をそのまま受け取ることができます。
ただし、NISAには投資できる金額や対象となる商品に上限や制限が定められているため、利用前に制度の内容を十分に理解しておくことが重要です。
1.1 【6つのポイント】「新NISA」の主な特徴を整理
「新NISA」には、次の6点が大きな特徴として挙げられます。
- 非課税保有期間は無期限
- 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
- 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
- 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
- つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
- 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」
投資というと「まとまった資金が必要」と思いがちですが、実際には500円や1000円といった少額から投資を始められる商品も多くあります。
新NISAを活用すれば、投資信託や株式も少額から購入できるため、初心者でも始めやすいのが大きな魅力です。
次章では、毎月積み立てを行った場合に、将来どの程度の資産が築けるのか、そのシミュレーション結果を確認していきましょう。
2. 【利回り別でシミュレーション】50歳から65歳「毎月5万円」で積立投資
ここでは、NISAを利用して積立投資を行った場合に、どれくらいの資産を築けるのかを試算してみます。
以下の前提条件を設定し、想定利回りを1%から5%まで変動させたシミュレーションを行いました。
- 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
- 積立額は毎月5万円
- 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品
2.1 「毎月5万円」×15年×「年1~5%」の試算結果を見る
【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成
想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)
- 年1%:970万6000円
- 年2%:1048万6000円
- 年3%:1134万9000円
- 年4%:1230万5000円
- 年5%:1336万4000円
15年間に毎月5万円ずつ積み立てた場合、元本の900万円に対して運用益が加わり、資産総額は1000万円を超える可能性があります。
想定利回りによって、利益は約70万円から最大で約436万円まで変動する見込みです。
ただし、投資商品にはリスクがあり、リターンが大きいものほど価格変動も大きくなる傾向があります。
こうした点を十分に踏まえたうえで、無理のない範囲で活用することが重要です。
3. 【積立額別でシミュレーション】15年間で「2000万円」を作りたい
老後資金の必要額は家庭ごとに異なるものの、ここでは目標額を2000万円と仮定します。
50歳から65歳までの15年間でこの金額を準備する場合、毎月どの程度の積立が必要になるのか、シミュレーションで確認してみましょう。
3.1 「15年間」×3%の試算結果を見る
【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成
毎月の積立金額:資産評価額
- 1万円:227万円
- 3万円:680万9000円
- 6万円:1361万8000円
- 9万円:2042万8000円
- 12万円:2723万7000円
※想定利回り:年3%
試算によれば、年利3%で15年間積み立てた場合、毎月9万円を拠出することで、2000万円以上の資産形成が見込めます。
しかし、月9万円という額は家計への負担が大きく、さらに運用利回りが保証されているわけではないため、思うように増えず目標額に届かない可能性もあります。
そのため、老後資金の準備はできるだけ早く始めることがカギとなります。
たとえば、30歳から65歳までの35年間、同じ年利3%で積立を行った場合、必要な月々の積立額は2万6971円まで抑えられます。
このように、時間を味方にすれば、毎月の負担を軽減しつつ、将来に備えた資産形成を着実に進めることができるでしょう。
4. 新NISAシミュレーションから見えてきたこと
今回は新NISAについて、利回りごとのシミュレーションを見ながら確認してきました。数字で追ってみると、長く続けることや複利の積み重ねが、資産形成において意外と大きな差になることが分かります。もちろん投資に確実な正解はありませんが、時間をかけることで値動きのブレを和らげながら、少しずつ資産を増やしていく考え方は現実的な選択肢と言えるでしょう。
「そのうち始めよう」と思っているうちに、あっという間に時間は過ぎてしまいます。新しい年を迎える前の今は、気持ちを切り替えるにはちょうどいいタイミングです。まずは無理のない金額で積立を設定してみるだけでも十分。小さな行動の積み重ねが、将来の安心につながっていくはずです。
※当記事は再編集記事です。

