寒さが増し、年末調整の準備で家計や将来のお金について考えることの多い11月。働き盛りの現役世代のみなさんの中には、老後の生活設計について漠然とした不安があるという人もいるでしょう。
厚生年金(国民年金を含む)の平均月額は約14.6万円ですが、現実には働き方や男女差によって受給額には大きな個人差があり、「年金だけで生活できるか」という不安は深刻です。
この記事では、基礎年金を受給中の人が、一定の所得要件を満たす場合に受け取れる「年金生活者支援給付金」を詳しく解説します。
この給付金は、老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金にも設けられており、万が一の際の生活基盤にも関わる重要な制度です。「申請」をしなければ受け取れないお金でもあります。ご自身や親世代の将来の安心のため、現役世代のうちにこの仕組みを理解しておきましょう。
1. 2025年度の給付額はいくら?「年金生活者支援給付金」の基礎知識
「年金生活者支援給付金」は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準に満たない場合に受け取れる給付金です。
老齢年金、障害年金、遺族年金のそれぞれの年金に給付金が設けられており、2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。また、給付額は公的年金と同様に、年度ごとに見直しがおこなわれます。
1.1 【+2.7%引き上げ】老齢・障害・遺族の2025年度 月額給付金一覧
2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額は、前年度より+2.7%引き上げられており、6月支給分の「4・5月分給付金」から増額率が適用されています。
各給付金の2025年度月額は以下の通りです。
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
なお、老齢年金生活者支援給付金については、上記を基準額として、保険料納付済期間などをもとに実際の給付金額が計算されます。
