3. 【介護費用のリアル】介護にかかる費用や期間、平均はどのくらい?一覧表で見る
ここからは、生命保険文化センターの「2022(令和4)年度生命保険に関する全国実態調査」から、介護費用と介護期間の平均データを見ていきます。
3.1 【一覧表】介護費用(※公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)
介護費用の合計は?
一時的な費用の合計平均:47万円
- 掛かった費用はない:17.5%
- 15万円未満:24.0%
- 15~25万円未満:10.1%
- 25~50万円未満:6.2%
- 50~100万円未満:7.2%
- 100~150万円未満:6.4%
- 150~200万円未満:1.8%
- 200万円以上:4.7%
- 不明:22.0%
介護にかかる費用(月額)
在宅介護の月額平均:5万2000円
- 支払った費用はない:0.0%
- 1万円未満:8.6 %
- 1万~2万5000円未満:22.8%
- 2万5000~5万円未満:18.4%
- 5万~7万5000円未満:13.0%
- 7万5000円~10万円未満:4.0%
- 10万~12万5000円未満:6.3%
- 12万5000~15万円未満:1.2%
- 15万円以上:6.9%
- 不明:18.7%
施設介護の月額平均:12万2000円
- 支払った費用はない:0.0%
- 1万円未満:2.1%
- 1万~2万5000円未満:4.6%
- 2万5000~5万円未満:6.3%
- 5万~7万5000円未満:5.8%
- 7万5000円~10万円未満:4.6%
- 10万~12万5000円未満:16.7%
- 12万5000~15万円未満:12.1%
- 15万円以上:37.5%
- 不明:10.4%
3.2 介護期間は「平均4年7カ月」
介護期間は「平均4年7カ月」
介護期間の内訳
- 6カ月未満:6.1%
- 6カ月~1年未満:6.9%
- 1~2年未満:15.0%
- 2~3年未満:16.5%
- 3~4年未満:11.6%
- 4~10年未満:27.9%
- 10年以上:14.8%
- 不明:1.3%
平均的な介護期間は55.0カ月(4年7カ月)です。この期間の、一時的な費用の合計と月々の費用を足し上げると、在宅介護の場合で333万円、老人ホームなど施設介護の場合で718万円となります。
介護費用は個人差が大きいものの、もし子ども世帯が近居や同居していれば、買い物や身の回りのことなどを家族に頼める可能性も出てくるでしょう。
ただし、介護付き有料老人ホームなどの民間施設を選んだ場合、入所一時金の時点で数百万円を要することも珍しくありません。
また、費用が比較的低めな特別養護老人ホームなどの公的施設は入所希望者が多く、介護が本当に必要なタイミングですぐに入所できるとは限らないため、待期期間が長くなることも覚悟が必要です。
4. 「親の介護のお金」について考えてみたあとは、自分自身の介護への備えを
ここまで、介護に関する参考データや最新の年金額データを確認してきました。
介護費用は、在宅で行うか、施設入所をするかによっても費用の相場は大きく変わります。また、平均介護期間は4年7カ月というデータがありましたが、これも個人差があるでしょう。「費用が意外にかかる」「介護期間ってそんなに長くないのかも?」など、感想は人それぞれかもしれませんね。
介護費用は「介護を受ける本人のお金から捻出する」のが基本です。しかし、かつて話題となった「老後2000万円問題」の試算中には、実は介護費用は含まれていません。「人生100年時代」と呼ばれる長寿時代を生きる私たち現役世代の老後は、想像以上に長いものとなる可能性があります。
11月11日「介護の日」を一つのきっかけとして、親の介護費用と年金事情という「現実」に目を向けたあとは、ご自身の老後、そして介護への備えも今から始めてみましょう。
預貯金や資産運用で資産の寿命を、適切な運動や食事で健康寿命を。この2つをセットで延ばす努力をコツコツと考えていくことは、お金と介護の不安を和らげる最大の工夫になるでしょう。
参考資料
- 政府広報オンライン「介護の日」
- 内閣府「令和4年 高齢者の健康に関する調査結果」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」
マネー編集部年金班


