11月は「ねんきん月間」です。日本年金機構と厚生労働省が、公的年金制度の普及・啓発をより強化する月として定めました。
本記事では、ねんきん月間にちなんで、以下の観点で年金について考えていきます。
【ことし65歳で老齢基礎年金を満額(令和7年度:月額6万9308円)受給する人が、20歳から60歳までの40年間で国民年金保険料をどれくらい納めてきたのか】
なお、国民年金の保険料は、毎年度見直しが行われていますので、その変遷も時系列で確認していきましょう。
1. ことし「65歳」の人の国民年金の満額は月額いくら?
ことし65歳(昭和35年・1960年生まれ)の人が、65歳から受けとり始める国民年金の満額は「月額6万9308円」です。
国民年金は、加入義務が発生した20歳から60歳になるまでの40年間(480カ月)、保険料を全期間納めた場合に満額を受給できます。
なお、未納や免除があった場合には、満額から減額されます。
※国民年金保険の加入義務期間(保険料納付期間)は、20歳の誕生日のある月から、60歳の誕生日のある月の前月までとなります。
2. 昭和55年~令和2年(1980年~2020年)の国民年金保険料は月額いくら?
国民年金保険料は、時代や社会経済状況に応じて毎年度見直しが行われます。
ことし65歳の人が主に加入期間となる1980年~2020年(昭和55年~令和2年)の国民年金保険料の推移をみていきます。
2.1 20歳~40歳
- 20歳(昭和55年4月~昭和56年3月)月額3770円(年間4万5240円)
- 21歳(昭和56年4月~昭和57年3月)月額4500円(年間5万4000円)
- 22歳(昭和57年4月~昭和58年3月)月額5220円(年間6万2640円)
- 23歳(昭和58年4月~昭和59年3月)月額5830円(年間6万9960円)
- 24歳(昭和59年4月~昭和60年3月)月額6220円(年間7万4640円)
- 25歳(昭和60年4月~昭和61年3月)月額6740円(年間8万0880円)
- 26歳(昭和61年4月~昭和62年3月)月額7100円(年間8万5200円)
- 27歳(昭和62年4月~昭和63年3月)月額7400円(年間8万8800円)
- 28歳(昭和63年4月~平成元年3月)月額7700円(年間9万2400円)
- 29歳(平成元年4月~平成2年3月)月額8000円(年間9万6000円)
- 30歳(平成2年4月~平成3年3月)月額8400円(年間10万0800円)
- 31歳(平成3年4月~平成4年3月)月額9000円(年間10万8000円)
- 32歳(平成4年4月~平成5年3月)月額9700円(年間11万6400円)
- 33歳(平成5年4月~平成6年3月)月額1万500円(年間12万6000円)
- 34歳(平成6年4月~平成7年3月)月額1万1100円(年間13万3200円)
- 35歳(平成7年4月~平成8年3月)月額1万1700円(年間14万0400円)
- 36歳(平成8年4月~平成9年3月)月額1万2300円(年間14万7600円)
- 37歳(平成9年4月~平成10年3月)月額1万2800円(年間15万3600円)
- 38歳(平成10年4月~平成11年3月)月額1万3300円(年間15万9600円)
- 39歳(平成11年4月~平成12年3月)月額1万3300円(年間15万9600円)
- 40歳(平成12年4月~平成13年3月)月額1万3300円(年間15万9600円)
2.2 41歳~59歳
- 41歳(平成13年4月~平成14年3月)月額1万3300円(年間15万9600円)
- 42歳(平成14年4月~平成15年3月)月額1万3300円(年間15万9600円)
- 43歳(平成15年4月~平成16年3月)月額1万3300円(年間15万9600円)
- 44歳(平成16年4月~平成17年3月)月額1万3300円(年間15万9600円)
- 45歳(平成17年4月~平成18年3月)月額1万3580円(年間16万2960円)
- 46歳(平成18年4月~平成18年6月)月額1万3860円(年間16万6320円)
- 46歳(平成18年7月~平成19年3月)月額1万3860円(年間16万6320円)
- 47歳(平成19年4月~平成20年3月)月額1万4100円(年間16万9200円)
- 48歳(平成20年4月~平成21年3月)月額1万4410円(年間17万2920円)
- 49歳(平成21年4月~平成22年3月)月額1万4660円(年間17万5920円)
- 50歳(平成22年4月~平成23年3月)月額1万5100円(年間18万1200円)
- 51歳(平成23年4月~平成24年3月)月額1万5020円(年間18万0240円)
- 52歳(平成24年4月~平成25年3月)月額1万4980円(年間17万9760円)
- 53歳(平成25年4月~平成26年3月)月額1万5040円(年間18万0480円)
- 54歳(平成26年4月~平成27年3月)月額1万5250円(年間18万3000円)
- 55歳(平成27年4月~平成28年3月)月額1万5590円(年間18万7080円)
- 56歳(平成28年4月~平成29年3月)月額1万6260円(年間19万5120円)
- 57歳(平成29年4月~平成30年3月)月額1万6490円(年間19万7880円)
- 58歳(平成30年4月~平成31年3月)月額1万6340円(年間19万6080円)
- 59歳(平成31年4月~令和2年3月)月額1万6410円(年間19万6920円)
3. ことし65歳の人が40年間で納めた国民年金保険料の総額はいくら?
ことし65歳の人たちが20歳だった昭和55年(1980年)から、60歳の誕生日を迎える前月までに納める保険料総額は、561万8040円となります。
令和7年度の国民年金保険料は「月額1万7510円」です。
昭和55年の月額3770円と比べると、ずいぶんと引き上げられたという印象を受けるかもしれません。
参考までに、当時の年収と保険料を比較してみましょう。
※同一の調査結果で比較するため、「昭和60年に25歳だった人」と「令和3年に25歳だった人」を例にあげています。
◆昭和60年(1985年)に25歳だった人(男性の場合)
- 国民年金保険料:月額6740円(年間8万880円)
- 当時の25歳~34歳の男性の平均給与:415万9000円
- 年収に対する国民年金保険料の割合:1.9%
◆令和3年(2021年)に25歳だった人(男性の場合)
- 国民年金保険料:月額1万6610円(年間19万9320円)
- 当時の25歳~34歳の男性の平均給与:441万8000円
- 年収に対する国民年金保険料の割合:4.5%
消費税や物価上昇なども含め、約40年ほど前と比べ、現代の若者における国民年金保険料の負担は非常に重いといえるでしょう。
なお、厚生年金保険に加入して働く場合は、会社と折半して厚生年金保険料を納めるため、別途国民年金保険料を納める必要はありません。
4. まとめ
ことし65歳の人たちが納めてきた国民年金保険料の推移をご紹介しました。
時代とともに保険料がどのように増えてきたのかを把握できました。
多様な働き方がある現代。自営業、フリーランスの方は、国民年金保険料の負担が大きいことでしょう。
少子高齢化により、将来の年金給付水準は下がる可能性は否定できません。
国民年金保険料を納めながらも、ご自身で老後資金を準備していけるよう、将来について考えるきっかけにしてください。
参考資料
和田 直子