2. 老後の生活費はどれくらいかかるのか

60歳代夫婦世帯の貯蓄額を確認しましたが、老後はどれくらいの生活費がかかるのでしょうか。

総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上夫婦のみ無職世帯の平均生活費は月額28万2497円です。

もちろん持ち家か賃貸かなどにより生活費は大きく異なりますが、本記事では月額28万2497円を生活費の基準とします。

3. 年金はどれくらい受け取れるのか

老後は、年金を受け取れます。では、どれくらいの年金をもらえるのでしょうか。

厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者と国民年金の平均年金受給額は以下のとおりです。

3.1 年金の平均受給額

  • 厚生年金受給者の平均年金額 :月14万3973円
  • 国民年金平均額:月5万6316円

会社員や公務員などとして勤めていた厚生年金受給者は、月14万3973円の年金をもらえます。

一方で、自営業者や専業主婦などの国民年金のみしかもらえない人の平均年金受給額は月5万6316円と少額です。

上記の数値を基に算出した、夫婦モデル別の月額年金受給額は以下のとおりとなります。

3.2 【夫婦モデル別】月額年金受給額

  • 1 会社員共働き夫婦 
    月28万7946円(14万3973円×2人分)
  • 2片働き夫婦(会社員と専業主婦(夫))
    月20万289円(14万3973円+5万6316円)
  • 3自営業者夫婦
    月11万2632円(5万6316円×2人分)

現役時代の働き方によって、老後の年金受給額に大きな差が出ることがわかります。

ここまで老後のお金事情を確認してきました。

たとえば貯蓄が「1000万円」あれば老後破綻しないのでしょうか。次章でシミュレーションしていきます。