将来どれくらいの厚生年金が受給できるのか、気になる方も多いでしょう。

厚生年金には現役時代の収入が大きく影響するため、年収が高いほど年金額も高くなる傾向にあります。

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は458万円であり、年収500万円〜600万円の給与所得者は全体の「14.2%」となっています。

では、生涯をとおした平均年収が500万円という場合、将来の厚生年金はどれほどもらえるのでしょうか。試算してみましょう。

1. 年収500万円の人が受け取る厚生年金は月額約16万円

1.1 厚生年金の受給額の計算式

報酬比例部分= A + B

  • A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
  • B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

報酬比例部分(従前額)=( A + B )× 1.014

  • A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.5/1000×2003年3月までの加入期間の月数
  • B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.769/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

どちらかの式によって算出されます。また加入の時期によって計算式が異なるため、ここでは2003年4月以降に加入したとして試算します。

1.2 試算条件

  • 年収500万円から平均標準報酬額は41万6700円とする
  • 2003年4月以降に厚生年金に38年間加入した
  • 国民年金は40年間未納なし
  • 配偶者や扶養家族はいない

1.3 厚生年金額をシミュレーション

老齢厚生年金額=111万1500円

さらに老齢基礎年金(国民年金)の満額約81万6000円を足すと、合計で約192万7500円となります。

月額にすると約16万円です。

実際には38年間を通して年収500万円であるケースはまれですが、一つの目安となるでしょう。

※昭和21年4月1日以前に生まれた方については、給付乗率が異なります。

※年収÷12で仮の平均標準報酬月額を算出しています。実際には「平均標準報酬月額」「平均標準報酬額」を用いるため、厳密には年収と異なります。

※あくまでも概算のため、実際の受給額とは異なるケースがあります。

※老齢基礎年金は2024年度新規裁定者の基準額です。