3. 社会保険料の負担率はどのくらい?
実際に所得から社会保険料はどれくらい負担しているのか、財務省が2023年2月21日に公表した「国民負担率」をもとに確認しましょう。
2022年度の国民負担率は実績見込みで47.5%です。
これは、所得のうち47.5%が税や社会保険料の負担に回っていることを意味します。
負担率の内訳を見ると、租税での負担率は28.6%、社会保険料の負担率は18.8%でした。
以上から、所得の約2割は社会保険料の負担に回っているといえるでしょう。
4. 社会保険料の負担は増加し続けている
60歳代の貯蓄額と、老後に負担する社会保険料の種類について解説しました。
二人以上の世帯では、60歳代の平均貯蓄額は1819万円で、中央値は700万円です。
中央値との差が2倍以上に開いている点と、金融資産を保有していない世帯が約20%ある点から、60歳代で貯蓄が順調にできている世帯と、不十分な世帯に分かれているといえます。
一方で、社会保険料の負担は年々増加しています。
退職後も、国民健康保険料や介護保険を支払う必要がありますが、2022年は所得の約2割は社会保険料の負担に回っています。
20年前の2002年は負担率が13.9%だったので、この20年でおよそ5%負担率が高くなっています。
今後も社会保険料の負担は増加し続けるとされています。
そのため、老後の生活資金は余裕を持って準備しておく必要があるでしょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」
- 金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]
- 厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」
- 財務省「令和5年度の国民負担率を公表します」
川辺 拓也