インドの富裕層の思考.「人には払う、しかし中身はしっかり吟味」

私が知っているインド人富豪の一人は、よく私を食事に連れていってくれます。彼は一代でインドの建築業で財を成した人。その資産は漏れ聞くところによると日本円で数十億円だとか。

一般的にインド人というと「押しが強くて、自己主張が強い」というイメージがありますが、彼は本当にマイルドな人でビジネスの話をしても「なるほど、そうだね」と肯定から入ってその後柔らかに自分の意見を述べる、、、そんなイメージの人です。

そんな彼と一緒に食事に行くと彼は必ず会計の時に奢ってくれます。私が払うと言っても頑としてきかず「あなたと食事できたことが私の喜びなのです」と言ってくれていつも全部払ってくれます。

そんな気前が良い彼なのですが、ある日私がレストランの出口で会計を終えた彼が出てくるのを待っていてもなかなか出てこない。不思議に思って中に戻ると、彼らは会計のレシートの中身を見ながら1つ1つ店員に確認をとっているのです。

「今日はビールが20%オフの日だがそれはちゃんと会計に含まれている?」
「チキンは1つしか注文してないつもりだけど2つ入っているように見えるのだが?」
「私はメンバーシップを持っているから料理も30%オフになるハズだ」

などなど。

奢ってもらっている身なのですが、その時は

「大富豪なのに、ずいぶん細かいなあ」

などと思ってしまいました。しかし、よくよく考えるとそういう彼の二面性ある行動がインドでは珍しい一代で「資産を蓄積する」人になった原因の一つだったのではないかと思ったのです。