その後、第1子誕生からの1年間は習い事や教育について矢継ぎ早に「どういう風に育てるつもり」と聞いてきたので、距離を置いた時期もありました。筆者の子ども時代はやや放置気味に育てられていたこともあり、孫の育児に口を出してくることに少々腹立たしさを感じることもあったのです。

このように「祖父母が孫の育児や教育に口出ししてくる」経験を持つ方は少なくないでしょう。

経験者としてアドバイスしてくれているのはわかっても、白湯や抱っこ癖のように昔と今では考え方が異なる育児法を押し付けられても困ります。また、長男を特別視する昭和的な態度も、今の子育てとはそぐわないこともあるでしょう。

そして祖父母の口出しを我慢し続けていると、最後に忍耐袋の緒が切れて爆発してしまうのは目に見えています。「良かれと思って言ってくれるのはありがたいが、子育ての責任を持つのはあくまで私たち」というスタンスを早々に表明しておくことが賢明です。

日本経済の栄光の日々を知るシニア層

例外はあるものの、現在の「小学生ぐらいまでの孫がいるシニア層」の多くは高度経済成長期を経験し、バブル時代やその後の不景気といった日本経済の浮き沈みを身近で見ていた世代です。

そして子ども時代にそろばんやピアノ、書道といった習い事をしていた人がいる一方で、家庭の事情で習い事はもちろんのこと高卒以後の進学を断念せざるを得なかった人もいます。

裏を返せば、学歴のある人が幅を利かせる社会を経験し、浮き沈みのある生活への恐怖心を感じているといえるかもしれません。