Aのように妻に借金を押しつけて遊んでいるようなタイプは、自分の借金額や支払額を把握しておらず、最後まで「お金がない」という自覚を持つことができなかったと言えます。せっかく妻が一生懸命尽くしていたのにもかかわらず、最後は自らの不誠実さで愛想を尽かされてしまったのです。

40代半ばの女性B、自営業(スナック経営)の場合

Bは経営不振に陥ったスナックのオーナーで、タクシー運転手の内縁の夫と、前夫との間にできた高校生の娘がいましたが、娘は内縁の夫のことをよく思っていないようでした。

融資の返済が滞り始めたため、Bに状況を尋ねたところ、内縁の夫が積極的に働かず家でゴロゴロするようになり、生活が困窮したとの答え。また、本人は認めなかったものの、Bの顔や腕には内出血した跡があり、内縁の夫からのDV疑惑がありました。さらに娘の話から、Bが何度も自殺未遂をして病院に運ばれた事実も発覚。

そこで内縁の夫と離れ、借入先と支払金額について相談して生活を立て直すようアドバイスしたのですが、結局Bは内縁の夫に見切りをつけることができませんでした。しばらくしてBは風俗関係で働くようになり、娘も夜の仕事に就いたものの借金まみれだという噂も聞きましたが、その後のことはわかりません。

積極的に働かず、DVに走るような男性から離れられなかったBの場合、早い段階で「生活を立て直すこと」を考えられる健全な環境ではなく、借金苦から抜け出すきっかけを掴めないままになってしまいました。また、行政機関へ相談に行ったときに冷たく突き放され、その後、一人で悩みを抱え込んだことも状況を悪化させた要因になったようです。