年収600万円ファミリー。貯金1000万円でも不安な理由
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大手企業に勤務、年収600万円、妻と2人の子を養っているAさん。妻と一緒にコツコツと貯めた貯蓄は、ようやく1000万円に達しました。そして、高校生の子ども2人は、ともに大学への進学を希望しています。
「これだけの年収と貯蓄があれば、問題なく生活できるだろう」と感じた方も多いかもしれません。しかし、Aさん夫婦は常に「将来は大丈夫だろうか」「このままではお金が足りなくなるかも」悩んでいる模様。そして、その暮らしぶりは至って質素なもの。
今回は「年収600万円ファミリー」のふところ事情について考えていきます。
「年収600万円」ってどんなライン?
国税庁公表の「令和元年(2019年)分民間給与実態統計調査―調査結果報告―」によると、「金融業・保険業」の平均給与は627万円。業種の中では、「電気・ガス・熱供給・水道業」に次ぐ2番目に高い水準です。
となると、Aさんの600万円という年収は、決して低い数字ではありません。にもかかわらず、なぜAさんは金銭的な不安を抱えているのでしょうか。
次では、年収600万円台の世帯の平均貯蓄額のデータなどをみながら、その「不安」のワケについて考えていきます。
執筆者
LIMO編集部は、LIMO編集長である宮野茉莉子を中心に、経済や資産形成や資産運用といった投資をテーマとし、金融機関勤務経験者である編集者が中心となって情報発信を行っています。加えて「くらしとお金」に関係する旅行、園芸、ショッピングや外食といった身近なテーマを各種専門家である編集者がわかりやすく解説します。LIMO編集部のメンバーは、大手金融機関で機関投資家としてファンドマネージャーや証券アナリスト、証券会社やメガバンク、信託銀行で富裕層・準富裕層への資産運用アドバイス担当、調査会社のアナリスト、ファッション誌の編集長、地方自治体職員、ネットメディアの経験者などで構成されています。編集スタッフの金融機関勤務経験年数は延べ47年、正確には565か月となります。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、第一種外務員(証券外務員一種)、FP2級、AFPなどの資格保有者が複数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。LIMOは株式会社ナビゲータープラットフォームが運営しています(最新更新日:2024年4月22日)。