ついこの前まで、パクパク元気に心臓を動かしていたのに…なぜ? どうして? 私がいけなかったんだ…。と、亡くなった赤ちゃんを目の前に、母子手帳を握りしめながら泣きました。幸せな未来しか描いていなかった筆者にとって、赤ちゃんを失ったショックは大きく、動揺を隠しきれません。

奇しくも流産した日は、初めての妊婦健診に行く前日でした。

看護師さんに言われた“ひと言”がフラッシュバック

産婦人科の受付で診察券を見せると、「妊婦健診ですね。検尿をお願いします」と。気力を振り絞り、昨夜流産したことを伝えました。そして診察の結果、残念ながら流産は確定。

先生から、何か体調に変化があったらすぐに相談するよう言われ、診察室を出ようとした次の瞬間…そばにいた看護師さんから声をかけられたのです。

満面の笑みを浮かべて「腐らないで!」と。

当時の筆者は、看護師さんの笑顔の意味も、「腐らないで」という言葉の意味も、投げかけられたタイミングの意味もまったく理解できず、頭を縦に振りうつむいて立ち去るのが精一杯…。

それからというもの、事あるごとに看護師さんから言われた「腐らないで!」のひと言が頭の中を駆け巡るようになったのです。日々考えているうちに「あの看護師さんにとって、私は腐っているように見えたんだ」「腐った人間だったから、赤ちゃんは死んでしまったんだ」と考えるようになり、自分を否定し苦しみました。