KYが世界を変える!

私が医学部を目指したのは、映画を撮りたかったからです。好きな映画でお金が稼げなくても、資格があれば、趣味にお金をつぎこむことができると思っていたわけです。やはり、変わった子にこそ、資格は武器になると思います。

そして30代で大学を離れてフリーの医師になってから、大学教授、映画監督、著述、精神科医と日々違った仕事をしていて、一カ所に留まっていません。これも、気が散りやすいADHD的特性を活かした働き方だと思っています。

高度成長期からバブルの時代であれば、上司から言われたことだけやっていれば勝手に業績も向上して、評価されていたことでしょう。しかし、今の時代は人と同じことだけやっていても埋没してしまう。人と違う、色々なことが出来る方が有利な時代なのです

私は常々、時代を変えるのは「KY(空気読めない)」なのだと思っています。発達障害がある人、特にASD的な傾向がある人は行間を読むとか、察するとか、そういうことが苦手です。だからこそ、人に気兼ねすることなく思い切った変革にチャレンジすることができるのです。そういう人材こそ、これからのVUCA(※)時代に求められているのではないでしょうか。

(※)VUCA(ブカ、ブーカ)・・・「Volatility(激動)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(不透明性)」の頭文字をつなげたビジネス用語