しかし、自分のことを後回しにするのはこれだけではなく、子どもが生まれてからは食べるものは子どもに取り分けられるものを選んだり、服は子どもに汚されても良いものを選んだり、母親になった瞬間からみんな自分のことを後回しにしていると思います。

加えて、女性も働くことが当たり前となり、ワンオペ育児に仕事まで加われば当然忙殺されますし、「なぜ我慢ばかりでこんなに大変な思いをしなければいけないのか」と気持ちが沈むのも無理はありません。

産後うつにならないための解決策

今回の座談会で一番感じたことですが、筆者も含め日本女性は根本的にあれもこれも自分でやらなきゃと溜め込みすぎな傾向にあり、それが産後うつに繋がるのではないでしょうか。産後うつにならないためには「理想の母親像を手放すこと」がまず一歩です。

完璧に母親業をこなさなくても、少しくらい手抜きをしても、命に関わることでなければ大丈夫というスタンスでいた方が気が楽になります。たとえば、料理をしたくない日はデリバリーでも良いし、洗濯物もきちんとたたまなくても良い、子どもがぐずれば少しくらいは放置しても良いのではないでしょうか。

また、家事や育児のアウトソーシングに抵抗がある人も多いかと思いますが、座談会ではアウトソーシングに頼る大切さも議論されました。

筆者自身、家事や育児をアウトソーシングすることに罪悪感を感じていると発言したところ、「母親にしかできない仕事はない。あるこれ抱えてイライラしているより、誰かに助けてもらって母親がご機嫌でいた方が家族もうまく回る。そこに罪悪感を持つ必要はない」と言ってもらい、気持ちが楽になりました。