筆者は小学生の頃、計7つほど習い事をしていました。水泳、体育、バレエ、ピアノ、習字、公文、絵画、塾……あれ8つですね。このうちやっていてよかったと思えるのは、実は1つもありません。

なぜか? それは「自由な時間があまりにもなかったから」です。小学生ながら、いつもいつも「休みたい」と思っていました。

では、お子さんの可能性を広げるにはどうしたらいいのでしょうか? 子供時代にツラい思い出をつくらせないためにも、習い事を検討されているパパ・ママはぜひご一読ください。

ある小学生の思い出

小学3年生の頃、月曜日と水曜日が憂鬱でした。なぜなら、火曜日と木曜日はバレエのレッスンがあったからです。「明日はバレエがある」と思うだけで頭が重く、胸がぎゅっと締めつけられる気分でした。

バレエって、素敵ですよね。私も小さい頃から今まで、観るのは好きです。しかし自分が踊りたいと思ったことはありませんでした。バレエが好きだったのは母。私はもともと運動に自信がなく、しかも当時ややぽっちゃりで内股ぎみでした。そんな私の容姿を矯正しようとしたのか……理由はわかりません。

レオタードを着てスリムなお友達に混じり、いつ間違えやしないかとびくびくしながら練習する時間は本当に憂鬱でした。

では、どうしてやりたくない、辞めたいと言わなかったのか? 私は母にほめられたかったのです。当時私の母は厳しく、いつも何かで叱られていました。忙しかったのもあったのでしょう。

しかし、バレエをしている私の姿を見る母はとても嬉しそうだったのです。私は母に笑顔を向けてもらうのに必死で、やめたいなんてとても言えませんでした。自分が我慢すればいいのです。

進学塾も、絵画も、そんな感じで続けました。するといつもお腹が痛むようになり、近くの開業医に1人で出かけると十二指腸潰瘍と診断されました。

子供の話を聞いていますか?

今思えば、母も私もお互いを思う気持ちはあったのだと思います。しかし足りないものがありました。それは「会話」。しかし子供の意見を聞くのは、簡単なようで難しい。