厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、生活意識について高齢者で「普通」と答えた人は40.1%、「苦しい」(合計)と答えた人は55.8%となっています。

生活が苦しいと答える方が多い高齢者ですが、実際にどれくらいの生活費や年金額、また貯蓄を保有しているのでしょうか。

今回はリタイアする人が多くなる70歳代に視点をあてて、そのお金事情を見ていきましょう。

1. 6月に年金制度改正が成立。シニアの暮らしで変わるところは?

2025年6月13日、国会で年金制度改正法が成立しました。

今回の改正では、現役世代の保障強化に加え、働きながら年金を受け取るシニア世代への制度調整、さらに私的年金制度の充実まで、幅広い見直しが盛り込まれています。

なかでも、在職老齢年金の支給停止基準の大幅な緩和は、シニア世代の年金受給と就労の両立を後押しするものです。

実際に、総務省の「2024年(令和6年)労働力調査」によると、65歳以上の就業者数は930万人(前年比+16万人)に。シニア世代の就労は確実に増えています。

その一方で、厚生労働省の統計によれば、平均寿命(※1)と健康寿命(※2)には男性で約8年、女性で約12年の差があります。

この「平均寿命と健康寿命の差」の期間は、医療や介護が必要となる可能性が高く、老後の暮らしに備えた「お金の準備」がますます大切になってくることが分かります。

こうした背景を踏まえると、現役時代からの貯蓄や資産形成は、70歳以降の暮らしの安心感に直結するものと言えそうです。

※1 平均寿命:2022年 男性81.05歳、女性87.09歳・2023年 男性81.09歳・87.14歳(「令和5年簡易生命表の概況」)
※2 健康寿命:2022年 男性72.57歳、女性75.45歳(「健康寿命の令和4年値について」)