初詣は小銭不要!? お賽銭まで「キャッシュレス化」してご利益あるの?

ビジネス、今日のひとネタ

年の初めに初詣へ、という方は例年、多くいらっしゃるでしょう。東京の明治神宮や千葉の成田山新勝寺、神奈川県の川崎大師などは、毎年300万人以上の人出でごった返すといわれます。関東以外でも、京都の伏見稲荷大社や大阪の住吉神社、愛知の熱田神宮や福岡の太宰府天満宮は200万人を超える参拝者が訪れるといいます。

もちろん、こうした大きな寺社でなくとも、「近くの神社にお参りしないと年が明けた感じがしない」という人も多いかもしれません。

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ところが、その参拝のかたちが変わる兆しを見せています。なんと、「お賽銭がキャッシュレス決済できる」という神社やお寺が少しずつ増えているのです。

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「電子賽銭」の波、じわじわと

東京都の愛宕神社では、2014年から電子マネーで賽銭を受け付ける端末が設置されています。年々、対応決済方法を増やしており、2018年の初詣には電子決済のスマホアプリでQRコードを読み込み、賽銭を入金できる、というシステムが導入されています。

また、2018年10月には、世界遺産の日光二荒山(ふたらさん)神社でQRコード決済ができるようになったほか、四国霊場の一つである徳島県の平等寺でも、2018年12月25日からスマホ決済が導入されています。

こうした動きは、QRコード支払いの賽銭がすでに広く浸透している中国からの観光客を中心に人気のようです。加えて、賽銭泥棒や職員による横領の防止、参拝時の行列軽減などが期待されているといいます。

予想外の「クラウド参拝」

一方で、QRコード決済の場合は、ネット上にQRコードの画像が上がってさえいれば、現地に足を運ばずとも「賽銭を投げる」ことが可能です。

実際、先に挙げた日光の二荒山神社がニュースサイトに取り上げられた際には、掲載されたQRコードが中国のSNSで拡散され、「云参拜(クラウド参拝)したった!」などと海を越えた賽銭投げが続出していたようです。

また、2018年12月8日からPayPayを導入した京都府の海眼寺(かいげんじ)では、住職のTwitterアカウントを介してPayPayで賽銭を投げられる「クラウド参拝」を行っています。この方法で「お参り」すると、御朱印の画像がもらえるそうです。

こうしたクラウド参拝は、もともと予期されていなかった使われ方です。先の海眼寺においても、当初は「クラウド参拝」を行うつもりはなかったものの、住職のTwitterに掲載されていたQRコードを介して賽銭が投げられたことをきっかけに始め、PayPayの利用規約に基づいて現在の仕組みになっているようです。

実体のない「参拝」でご利益あるの?

しかし、こうした流れに対して、多くの日本人からは、

 

「ご利益薄そう」
「風情がない」
「行かなくてもいい、になるなら意味がない気がする」
「お賽銭だけは現金がいい」
「神主の小銭稼ぎ感が出てて嫌な感じ」
「そこは便利にしなくていい部分。ほかのとこを便利にしなさい」

など、否定的な意見がかなり出ています。「賽銭でいくら投げたか」ということよりも、実際に参拝の上で「小銭を賽銭箱に投げ入れる」ということのほうが重要と考えると、賽銭のキャッシュレス化に強い違和感を抱く人も多いように思われます。

キャッシュレス化が進めば違和感はなくなる……?

実は、賽銭として金銭が供えられるようになる以前は、米が供えられたりしていました。それを考えると、賽銭を含む供えものは「時代と共に変化していくもの」と捉えることもできます。この先、日本のキャッシュレス化そのものが進んだ暁には、「キャッシュレス賽銭」への抵抗も薄れてくるかもしれません。

ただ、日本で最初に寺社に賽銭箱が設けられたという記録は室町時代にまで遡るといわれ、「お賽銭」は少なくとも450年以上にわたって日本人の身体に染みついてきた風習といえます。それだけに、がらりと様相を変えるのはまだ先のことかもしれません。

「キャッシュレス賽銭」はこのあと定着するのかどうか、みなさんはどう思われますか?

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2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。

主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。