子供が小学生になると、頭を悩ませる問題のひとつに「お小遣い問題」があります。かくいう我が家も、もうすぐ娘が小学2年生。まだお小遣いは定額制にはしていませんが、もうそろそろお小遣いを持たせるべきかな…と考えることがあります。

そこで今回は、世の中のお小遣い事情に注目。平均お小遣い額はいくらくらいなのか、またユニークなルールを設けている家庭のお小遣い事情をみてみましょう。

お小遣いの平均ってどれくらい?

まず、皆様が一番気になっているであろう「お小遣いの全国平均値」。果たして、どれくらいの金額が相場と言えるのでしょう。

2015年度の金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)によると、子供のお小遣いの平均額(月1回の場合)は、小学校低学年で1,004円(中央値500円)、小学校中学年で864円(中央値500円)、小学校高学年で1,085円(中央値1,000円)。中学生になると2,536円(中央値2,000円)、高校生になると5,114円(中央値5,000円)となっています。

また、小学校低学年は月に1回定額を渡す家庭が13.4%であるのに対し、ときどき渡す、という家庭が57.3%。それに対して中学年になると月に1回渡す家庭は32.1%、ときどき渡す家庭が47.8%。そして高学年になると月に1回渡す家庭が45.0%となっています。この結果を見ると、小学校中学年~高学年からお小遣い制をスタートさせる家庭が多いようです。

独自のルールを設けている家庭も

中には、あえて「月1回のお小遣い」というスタイルではなく、オリジナルのルールで子供の金銭感覚を養っている家庭もあります。ここでは、そんな家庭の「お小遣いルール」について2人のママのお話を伺いました。

「我が家はお手伝いをしたら、『お手伝い料』として一定金額を渡しています。壁に、『お手伝い料金一覧』を書いて貼り付けていますよ。たとえば、食べた後の食器を流しに下げたら10円。朝新聞を取ってきたら10円。お風呂洗いは50円、休日にパパの靴磨きをしたら100円など。たまにイレギュラーで主人が『肩を揉んでくれたら50円やるぞ』なんて言ってます」(小学3年生の男の子のママ)

「毎年親族からいただくお年玉。そのお年玉の1割が1年間の子供のお小遣い。誕生日には特別ボーナスとして主人から1000円、私の両親、主人の両親からそれぞれ2000円の合計5000円が支給されます。決められた額をやりくりすることで、金銭感覚を養ってほしいと思っています」(小学6年生の女の子のママ)

筆者の子供時代のお小遣い事情

ここで、昭和生まれの筆者の小学生時代のお小遣い事情を少しお話させてください。筆者が小学生の頃はまだまだ駄菓子屋さんが元気な時代でした。筆者がお小遣いをもらい始めたのは小学校3年生の頃から。といっても月○○円と言う定額制ではなく、友達と遊ぶ約束をしているときだけ、親が50円を握らせてくれたのです。

友達とは駄菓子屋さんで待ち合わせ。50円もあればじゅうぶん色々なお菓子が買えます。ヨーグルにきなこ棒、チョコバットにマーブルガムなどを買いこんで、友達と夕方5時のサイレンが鳴るまで、神社で遊んでいました。

友達がうちに遊びに来た日には、茶菓子を出す代わりに、「これでなんか買っておいで」と私と友達にそれぞれ50円ずつ握らせます。今ではちょっと考えられないことですよね。向こう三軒両隣、地域のみんなが知り合いで、知らない子供はいないという土地柄と時代だったからこそ…だったのでしょう。

友達の家に遊びに行ったとき、「駄菓子屋行ってき」と握らせてくれた硬貨が100円だったときの喜びと驚きといったら! 嬉々として、いつもはもったいなくて手が出せないアイドルのブロマイドのくじに手を伸ばしたものです。小学校時代を振り返ると必ず思い出す、筆者のお小遣いエピソードでした。

お小遣いをあげる目的を明確に

時代が変わればお小遣い事情も変わる…平成が終わり、次の時代が始まれば、お小遣い事情もまた大きく変わっていくかも知れません。せっかくなら子供の金銭感覚を養い、お金の大切さを実感させるためにスタートさせたいものですよね。また、お小遣いを通して、親子の素敵な思い出を積み重ねていければいいな…と筆者は考えます。

大中 千景