2025年5月23日に公表された消費者物価指数(総合指数)は、前年同月比で3.6%の上昇となりました。物価高による家計への負担が増しており、消費を控えている方も少なくないでしょう。

そのような状況の中、2025年6月支給分から、公的年金の受給額が1.9%引き上げられました。

本記事では、公的年金制度の仕組みから、60歳代以上の年代別・年金種類別の平均月額、受給額別の受給権者数まで詳しく解説します。

現代シニアが受け取っている年金額を知り、将来に向けて準備を始めましょう。

1. 【基本から解説】公的年金制度は2階建て!国民年金と厚生年金の仕組みとは

日本の公的年金制度は、以下のような「2階建て構造」になっています。

1.1 【第1階部分:国民年金(基礎年金)】

  • 対象:20歳以上60歳未満の全国民
  • 保険料:2025年度は月額1万7510円(一律)
  • 40年間保険料を納めた場合、満額は月6万9308円(2025年度基準)

1.2 【第2階部分:厚生年金】

  • 対象:会社員、公務員など
  • 保険料と年金額:収入と加入期間に応じて変動(個人差あり)
  • 将来的には「厚生年金」と「国民年金」の両方を受給

さらに、公的年金に上乗せできる仕組みとして、以下のような「私的年金制度」も利用可能です。

  • 企業年金
  • iDeCo(個人型確定拠出年金) など

日本の公的年金制度

日本の公的年金制度

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

2. 【2025年度版】年金額が1.9%増額!厚生年金と国民年金の支給額に注目

2025年度の年金額は、2024年度と比べて1.9%の引き上げとなりました。

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額・1人分)):6万9308円(+1308円)
  • 厚生年金(夫婦2人分):23万2784円(+4412円)

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

モデルケースの増額分を年換算すると、国民年金(満額)で1万5696円、厚生年金(夫婦2人分)で5万2944円増加することになります。

ただし、実際の支給額は収入や加入期間によって大きく異なるため、個人差が大きくなる点には注意しましょう。