たとえば、保険料払込期間が10年で返戻率(へんれいりつ)が7-8%程度の学資保険があるとしましょう。
この数字に対しては皆様、様々な反応があるでしょう。
「現在のような低金利下で満期保険金としてはそれくらいの水準の運用ができていれば十分」という方もいるでしょう。
その一方で、「10年で8%かぁ。預貯金よりは良いかもしれないが、年間にするとわずかな%だなぁ」という反応もあるでしょう。
仮に500万を祝金及び満期保険金として受け取ろうとする場合には、現時点では、月払保険料として4万円弱程度を払い込む必要が出てきます。
「毎月4万円くらいは問題ない」というご家庭もあるでしょうし、「子どもが2人いることを考えるとやりくりがなかなか難しい」というようなご家庭もあるでしょう。
学資保険は貯蓄性保険にグルーピングされ、そもそも安全に運用される金融商品です。学資保険という特性上、保険機能も当然ながら持ち合わせています。学資保険の存在意義は認めるにしても、運用収益だけを突き詰めるというのは難しいとは言わざるを得ません。
将来の教育費として必要な資金を運用するという発想
ここで検討すべきは、子どもが大学に入学するまでに時間がある場合には、教育資金をリスク資産で運用するという考え方です。
たとえば、200万円分を学資保険で運用し、300万円分は毎月積み立てをしながら投資をしていくという選択肢です。
教育資金ということで、できるだけ減じることを避け、一方で預貯金よりも高いリターンを求めるというスタンスがコアとなるでしょう。
であれば、グローバル資産への分散投資とともに様々なアセットクラス、つまり債券だけではなく株式等も含んだポートフォリオでリスク値をコントロールすることが求められます。
余談として、たまたまだろという批判も承知でいえば、ダウ平均株価は過去10年で3倍近くにまで上昇しています。もちろんダウ平均株価はドル建て資産であるので一概な比較はできないですが、10年前に100万円を投じていれば、300万円近くにまでふえたといえます。
皆さんは子どもの大学進学資金はどのように準備されるでしょうか。
青山 諭志