米中が首脳会談。米国は中国への追加関税を90日間猶予
2018年11月30日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より88円46銭高の22,351円06銭となりました。6日続伸です。米国株の上昇を受けて連れ高となっています。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が28日、ニューヨークで講演し、政策金利について「景気を加速も減速もしない中立金利に近い」と語りました。これにより、米国の利上げが終了するとの見方が広がり、株式相場が大幅に上昇しています。28日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は前日比で600ドル超上げました。29日はその反動で小幅に下落したものの、30日には米中首脳会談の交渉に進展が期待できるという報道もなされたことから再び、199ドル超の上昇になりました。
今週以降の動きはどうなるでしょうか。12月1日、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれている20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ、米中の首脳会談が行われました。懸念されていた米国による中国への追加関税について、中国の知的財産保護などで協議を行うことで、2019年1月以降に予定されていた関税引き上げを90日間猶予することで合意しました。課題が解決したわけではありませんが、ひとまず決裂には至らず、休戦ということになりました。今週はそのアク抜けの動きにも期待したいところです。
利上げや米中貿易摩擦など、当面の懸念が後退したことで、米株式市場が再び上昇していくことも予想されます。ただし、トランプ大統領の発言などに相場が振られがちなので注意が必要です。
英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、EU加盟国はその条件を承認しました。しかし、実施のためには、英議会で採決を行って承認を得る必要があります。審議は3日から始まり、11日採択が行われる予定ですが、議会内では反対論が拡大しており、否決される可能性も出てきました。その場合、メイ首相の辞任などが起これば、欧州の株式市場にも影響を与えることになります。